埼玉新聞

 

冬の寒風に負けず、障害者支援に108周 さいたま・別所沼でリレーマラソン、大みそかに心の温かさつなぐ

  • リレー形式で次の走者につなぐ参加ランナー=31日、さいたま市南区の別所沼公園

 埼玉県さいたま市南区の別所沼公園で31日、「大みそか別所沼108周リレーマラソン」が開催された。難病や障害を抱える人々を支援するプロジェクトの一環で、一般社団法人「ラン・ドリームス」が主催。参加したランナーたちは1周926メートルのコースを走り、次の走者にバトンタッチして、冬の寒風に負けない心の温かさをつないだ。

 ラン・ドリームスは別所沼公園を拠点に、自主運営によるリレーマラソンを毎日行い、参加者から寄付を募り、難病や障害を抱える人たちを支援している。108周リレーマラソンは活動をより広く知ってもらおうと、大みそかの除夜の鐘にちなんで企画。多くの人が参加しやすいよう無料にし、飛び入り参加も可能とした。会場には募金箱を設けて協力を呼び掛けた。

 代表を務めるさいたま市南区の楠田昭徳さん(78)は、2009年に52日間連続フルマラソンのギネス記録を樹立。15~20年には別所沼公園の周回コースで毎日誰かがフルマラソンを走る「チャレンジ2020」を達成した。挑戦を続ける中で、難病や障害を抱える人たちを支援したいと思い、法人を設立して活動を続けている。

 リレーマラソンは午前7時にスタート。時折冷たい風が吹く中、参加ランナーたちはリレー形式で公園の周回コース108周(100キロ)を走破した。

 重度の知的障害を持つ新座市の柳沢琉斗さん(20)は母親の朋子さん(57)が見守る中、父親の靖彦さん(53)と2周を走り、笑顔で次の走者にバトンタッチ。靖彦さんは「一緒に走るのは久しぶりだったが、息子も気持ち良く走ってくれたと思う。より多くの人にこの活動が広がっていけば」と期待を込めた。

 楠田さんは「活動を続けていくことで、障害や難病を持つ人やその家族を支え、『自分たちも頑張ろう』と思ってもらえれば。今後も全国、世界へと、大きな広がりをつくっていきたい」と話した。

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