埼玉新聞

 

<新型コロナ>埼玉の感染、月末に400人超のペース 過去最多2千人超の感染を上回る可能性 対策徹底を

  • 新型コロナ、県内3カ月ぶり80人超 対策徹底を

 埼玉県内の新型コロナウイルスの感染者が5日、新たに82人確認された。1日当たりの新規感染者が80人を超えるのは105人だった昨年10月1日以来、約3カ月ぶり。大野元裕知事は5日の会見で「われわれとしては極めて懸念すべき状況が今、起こっている」と危機感をあらわにし、無料PCR検査の受検や基本的な感染防止対策の再度の徹底など、県民に協力を呼び掛けた。

 県内の新規感染者は「第5波」のピークを過ぎた昨年8月から減少傾向にあり、11月18日には1人にまで減少した。12月も1桁台で推移していたが、年末から年始にかけ増加傾向が顕著になっている。2日の新規感染者は10人、3日は21人、4日は38人と年明けから急激な増加を見せていた。

 国外で猛威を振るう変異株「オミクロン株」も5日、新たに海外渡航歴のある40代男性1人の感染が判明。県内では12月21日、アフリカ滞在歴のある40代男性の感染が初めて確認されて以降、4日までに7人の感染を確認。感染経路不明のいわゆる市中感染も含め、県内では累計8例が確認されている。

 大野知事は現在の県内の感染動向について「現時点の医療機関への負担を考えれば、きょう緊急事態宣言を要請するとか、事業者の皆さまに例えば営業時間を短縮していただくとか、そういったことをすぐにお願いする段階にはないと考える」との見解を示した。

 その上で「県としては総合的に判断するが、医療機関への負担を見据えながら、今後の対策を取る」と述べた。

 また、1人から何人に感染が広がるかを示す実効再生産数は4日時点で1・77となっている。

 大野知事は「このままだと月末には1日当たり400人の新規陽性者を超えることになる。第5波の2千人を超えた状況を超えるのもそんなに遠い未来ではない」と警鐘を鳴らした。

ツイート シェア シェア