後悔…「不倫した」と電話あった祖母、詐欺を見抜くも孫が襲われる 「家に現金ある」と伝えてしまい…引っ越しのあいさつに来た男、玄関を開けた孫を襲撃 捕まった男が法廷へ 祖母「だまされず安心したのに」
2022年に埼玉、茨城県で6件の強盗や窃盗事件を起こしたとして、住宅侵入、強盗致傷などの罪に問われた茨城県日立市、無職の男(22)の裁判員裁判の初公判が11日、さいたま地裁(小池健治裁判長)で開かれた。男は「間違いないです」と起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、男が勤務する飲食店の同僚から誘われ、実行役として加担を決意したと説明。22年6月以降、指示役から被害者の情報を得て、茨城県つくば市や川口市、草加市など5軒の住宅に侵入して強盗や窃盗を行い、茨城県つくばみらい市では遊歩道上で通行人に暴行し、財布を奪ったとした。
11月、川口市で引っ越しのあいさつを装い、住人の男性=当時(23)=をガムテープで縛り、現金約500万円を奪った事件については、事件前に特殊詐欺の電話を受けていた男性の祖母の供述調書が読み上げられた。祖母は10月、息子を名乗る人物から電話で「不倫の慰謝料を請求されている。銀行に行かないと用意できないよね」と言われ、「自宅にある」と伝えたが、家族に相談して詐欺と発覚し被害は免れた。調書では「引っかからず良かったと安心したが、強盗によりお金が奪われ、孫が襲われた。悔やんでも悔やみきれない」と訴えた。
一方、弁護側は男が「犯行グループの末端の末端の立場」だったと強調。指示役と連絡を取り合う指揮役や、先陣を切る役割ではなかったとし「責任のある役割は任されていない」と主張した。
起訴内容などによると、男は22年6~12月、氏名不詳者らと共謀し、つくば市の住宅に侵入し、住人の男性=当時(70)=に「殺すぞ」などと脅迫して現金約24万円を奪うなど、6件の事件を起こしたとされる。
■500万円や通帳も強奪(以下、川口強盗事件の初報記事)
2022年11月15日午前11時半ごろ、埼玉県川口市前上町の戸建て住宅に性別不明の2人が侵入し、家屋内にいた20代男性にけがを負わせ、現金や銀行通帳などを奪い逃走する強盗致傷事件が発生した。
川口署によると、2人は住宅のインターホンを押し、被害男性が玄関を開けたところで室内に押し入った。その後被害男性をいすに座らせて両手、両足といすの足をそれぞれガムテープで縛り、刃物のようなものを突き付け「金目の物はどこだ」などと脅迫したという。2人は住宅内を物色し、現金約500万円と複数の銀行通帳を奪い逃走。男性は手に擦り傷を負ったが軽傷だという。
2人の逃走後、男性は自分で緊縛を解いて隣家に助けを求め、午後0時7分に「家で一人でいたところ、不審者に侵入され襲われた」「ガムテープで体を抑えられた」と110番した。
2人の特徴は、1人目が20~30代くらいで身長170センチ、黒っぽい服装で黒色の靴、目出し帽を着用していた。2人目も黒っぽい服装だったという。
同署は住居侵入と強盗致傷の容疑で2人の行方を追っている。