埼玉新聞

 

「ピンときた」半信半疑の来店男性を説得 詐欺防いだセブンイレブン店員の正体は、警官を目指す高3生

  • 市川弘明署長から感謝状を受け取った寺尾匡博さん(左)=大宮西署

 特殊詐欺被害を未然に防いだとして、大宮西署は12月27日、「セブンイレブンさいたま櫛引町1丁目南店」店員で日々輝学園高校3年の寺尾匡博さん(18)に感謝状を贈った。

 同月9日午後9時ごろ、来店した70代男性に「コピー機の操作方法が分からない」と声を掛けられた寺尾さん。電子マネーの画面になっていたことから利用目的を確認すると、男性は「パソコンがウイルス感染した。除去するために支払う」と答えた。「パソコンとウイルスというワードで詐欺とピンときた」と、寺尾さんは110番。警察官到着までの20~30分、自身のスマートフォンで詐欺被害の記事を示したり、警察から渡された啓発チラシを見せて、半信半疑の男性を落ち着かせた。

 結果的に7万円分を犯人に渡さずに済んだ。同署の市川弘明署長は「店員さんは最後のとりで。意識を高く持っていただき感謝します」と功労をたたえ、感謝状を手にした寺尾さんは「将来、警察官を目指しているので、光栄でうれしい」と笑顔を見せた。

 寺尾さんは小学校低学年の時にストーカーされた経験があり、その際の警察官の丁寧な対応に感銘を受け、憧れを抱いたという。高校卒業後は日本大学の危機管理学部に進み、警察に特化した勉強に励む予定で、「詐欺事件の防止とか生活安全課に特に興味がある」と目を輝かせた。

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