埼玉新聞

 

ホットチョコレートでライトアップ資金を 運営メンバーほっこり、埼玉・熊谷の夜市に温かい善意集まる

  • 応援企画としてホットチョコレートを販売する運営スタッフ

 「ホットチョコレートの売り上げで、会場の照明を購入したい」―。熊谷市街地を流れる星川沿いで定期的に開催しているナイトバザール。昨年11月から川沿いのハナミズキをライトアップしたものの、約200メートルの会場のうち3分の1部分しか賄えていない。スタッフらは昨年末、小児がん支援の「レモネード募金」をヒントにホットチョコレートを作り、飲食店の協力で会場運営の傍らシフト制で販売した。目標には達成しなかったものの、温かい善意が集まり、次回までには会場を明るく照らすことになりそうだ。

 商店街の有志らで2018年10月から開催しているナイトバザール「星川夜市」。運営スタッフ10人はみなボランティアで、出店募集から調整、会場準備、設営、後片付けまで行っている。昨年はコロナ禍の影響で中止した回もあり、4回の開催にとどまった。出店する飲食店全体の売り上げは100万円を超えるが、スタッフの手元に残る資金はほんのわずかだった。

 発案した手作りのホットチョコレートは、星形のマシュマロを浮かべ、ストロベリーソースをかけ1杯500円で提供。運営委員長の木村俊太郎さん(29)は「星川通り沿いは出店や歩く人がいて明るいが、熊谷のシンボルである星川に光が当たってないと感じていた。試しに川沿いの木に2セット取り付けたら夜市らしい雰囲気になった。ライトアップするとイベントの明るさも違う。あと3セットあれば川の片側、会場全体の星川を照らすことができる」と150杯を目標にした。

 昨年12月の夜市当日は会員制交流サイト(SNS)で事前告知したおかげか早い時間から買い求める姿があり、「これだこれだ」と探して訪れる人もいた。開催時間中に販売できたのは138杯。目標には届かなかったものの、多くの人々が「応援」の看板に立ち止まりホットチョコレートを手にした。

 木村さんは「募金だけしたいという方がいたり、会場の都合で出店を断ってしまった方が応援してると声を掛けてくれたりと皆さんの気持ちがうれしい。運営メンバーがみなほっこりした気持ちになった」と満足げ。1、2月の夜市は冬期休みだが、次回3月の開催までに照明セットを準備する予定。運営資金を募る取り組みは今後も続けていくという。

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