<新型コロナ>埼玉の感染54倍の急拡大…対応に追われる「大波が来た」 発熱など症状ある人、外出控えて
新型コロナウイルスの再拡大や変異株「オミクロン株」の急拡大を受け、大野元裕知事は12日の定例会見で、自宅療養者の健康観察を3万2千人まで対応できるようにしたり、保健所体制の強化など患者急増に備える方針を明らかにした。大野知事は「オミクロン株の市中感染が疑われる事例も多く報告されており、もはや県全域でオミクロン株の感染拡大が起こっている。第6波と考える」と、昨夏の「第5波」を超える勢いで感染者が増えており、改めて感染防止対策を呼び掛けた。
県内では12日、新型コロナウイルスの感染者を新たに547人確認。新規感染者者が500人を超えたのは昨年9月15日の513人以来、約4カ月ぶり。1月2日は県内で10人だったが、10日間で約54倍となった。
自宅療養者の健康観察については、患者の状態に応じて保健所や協力医療機関、自宅療養者等支援センターが健康観察を実施。また自宅療養者等支援センターについては現在、2事業者と契約し1万8千人の療養者に対応できる体制を整えているが、今後、新たに1事業者と契約し、3万2千人にまで対応できる体制を構築する。
県所管の保健所の体制も強化する。各保健所が発生届を受理後、患者に対し、翌日までに病状確認などの連絡ができるよう、既に県職員30人を保健所に増員した。さらに今月末までに派遣事務職120人を順次、増員する。入院調整を行う県の調整本部には応援職員10人を配置し、急増する新規感染者への対応を強化した。
11日夜時点の県内即応病床使用率は29・7%(296人/995床)、うち重症は0・8%(1人/124床)。病床については現在の995床体制から、患者急増時の2176床体制に移行することを既に発表している。
大野知事は現在の感染動向について「新しい波、第6波と考える。ただ、今がピークなのか、まだ先なのか全く分からないが、いずれにしても大きな波が来た」とも述べ、近く専門家会議を開き意見を求め、今後の状況を見極めたいとの考えも示した。
県は12日、新型コロナウイルス対策本部会議を書面で開催し、新型コロナ特措法に基づき、県境をまたぐ移動は基本的感染防止対策に加え、目的地以外に立ち寄らないよう徹底することを県民に要請すると決定。発熱などの症状がある場合は外出を控えるよう求めることも決めた。