埼玉新聞

 

<新型コロナ>まん延防止の発出要請も視野 新規感染者が955人に急増拡大の埼玉県、対策強化を確認

  • 患者急増に伴う対応強化などが話し合われた県新型感染症専門家会議=14日午後、県庁

 県は14日、新型コロナウイルスの専門家会議を開き、新規感染者の急増拡大に伴い、新型コロナ特措法に基づく「まん延防止等重点措置」の発出を政府に要請することも視野に、対策を強化することを確認した。大野元裕知事は会議後、記者団に「今後仮に、重症患者や入院患者、陽性者が増える場合はまん延防止等をにらんで、準備する必要がある」との見解を示した。その上で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を政府に要請する場合は、1都3県が足並みをそろえ、医療機関への負担を考慮し総合的に判断するとした。

 県内では同日、昨年9月4日以来となる900人を上回る955人の新規感染者が確認されるなど、オミクロン株の影響とみられる感染拡大が続いている。1人の感染者が何人に感染を広げるかを示す実効再生産数は13日時点で4・753で、急激な拡大傾向にある。

 会議では現在の感染動向についての評価や、まん延防止等重点措置などを政府に要請した場合の措置内容の方向性について話し合われた。詳細については今後、発表される。また、今月から来月にかけて埼玉スタジアムで行われるサッカー日本代表の国際試合について、チケットの追加販売を見合わせるよう、日本サッカー協会に申し入れることについて同意を得た。

 会議に委員として出席した県医師会の金井忠男会長は「オミクロン株は感染力が強い。軽症者が多く、自宅療養者が増えるため、この部分をしっかり見るべき」と指摘。大野知事は「県民には特に会食や旅行、新年のイベントでも感染が目立っている。オミクロン株が重症化しないというのは危険ではないという意味ではない。改めて基本的対策の徹底を」と呼び掛けた。

 県内では新規感染者の急増に伴って病床使用率も上昇を続けており、13日時点の県内即応病床使用率は36・5%(402人/1100床)、うち重症は0・8%(1人/124床)。このような状況から、県は患者急増時の2176床体制に移行することを既に発表し、医療機関に対し、21日までに移行できるよう要請した。

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