<川口いじめ>母子に問題があるかのような文書…訂正しない市が訂正応じる 全国でも同様ケース多発で注目
2022/01/20/00:00
川口市の中学校でいじめに遭い市に勝訴した元生徒の男性(19)が、いじめについての文書に誤りや虚偽があるとして、市に訂正を求めている訴訟の口頭弁論がさいたま地裁で開かれた。市側は不訂正決定処分を取り消すと姿勢を変えた。倉沢守春裁判長は弁論を終結し、判決を3月16日に指定した。
訴訟は、情報公開された市側の書面に、男性の母親が学校の調査を妨害したり、いじめの原因は男性にもあったなどとするなどの誤りや虚偽があるとして、男性側が訂正を求めている。
これまで、市側は「文書は当時の担当者の認識のもとに作成されたもので、訂正はしない」と主張してきたが、この日の準備書面で「不訂正決定を取り消し、客観的な事実の誤りは改める」とした。
男性側の荒生祐樹弁護士は「これまでの市側の主張からみて大きな変化。全国的に、間違っていても訂正しないという自治体のケースが多発しているだけに、注目すべきこと」と話した。
男性の母親でいじめ問題のNPO「プロテクト・チルドレン」代表の森田志歩さんは「当初から息子や私に問題や原因があるとするために意図的に作成された記録と思わざるを得ない」と話した。