埼玉新聞

 

俳優・高橋英樹さんのトークも 埼玉・桶川で企画展、「桃太郎侍」生みの親・山手樹一郎の貴重な資料展示

  • 山手樹一郎の書斎を再現したコーナーで「ぜひ山手の世界を堪能してください」と話す学芸員の影山亮さん=桶川市若宮のさいたま文学館

 桶川市のさいたま文学館で、企画展「『桃太郎侍』生みの親 山手樹一郎の世界」が3月6日まで開催されている。山手樹一郎は「明朗時代小説」というジャンルを確立した作家で、テレビドラマ「桃太郎侍」や「遠山の金さん」の原作者。生涯で800作品以上の時代小説、大衆小説を残し、埼玉新聞にも書き下ろしている。企画展が行われるのは全国で初めて。

 山手樹一郎は栃木県黒磯市に生まれ、後に父親の転勤で現在の東京都豊島区に移る。小学日報社、博文館で雑誌の編集に携わりながら自身も童話や随筆を執筆。同館所蔵の「少女号」31冊のうち24冊に本名井口長次の名で著作が掲載されている。

 本格的な文壇デビューは1933年。以降、人気作家として活躍し、小説は次々と映画化、テレビドラマ化された。山手作品の特徴は主人公が力強く、明るい性格で、相手を切らない、まさに「明朗小説」。同展では、戦中戦後から現代まで、多くの読者の心を捉えた山手樹一郎の魅力が披露されている。

 展示では自筆原稿をはじめ、「桃太郎侍」で主役を演じた俳優高橋英樹さんが着用した衣装、小説を連載した雑誌など数多くの貴重な資料がほぼ初出されている。

 開館時間は午前10時~午後5時半。一般210円、大学生・高校生100円。中学生以下、障害者と介助者は無料。月曜休館。

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 同展にちなみ「高橋英樹スペシャルトークイベント」(埼玉新聞社主催)が2月5日午後2時から、市民ホール(さいたま文学館)で開かれる。「桃太郎侍」の撮影秘話や時代劇の貴重なエピソードを聞くことができる。前売り券1000円、当日券1200円。全席自由。

 申し込み、問い合わせは同ホールチケットセンター(電話048・789・1513)へ。

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