埼玉新聞

 

ただただ驚き…順天堂大“新病院”断念 広大な土地4・7ヘクタールを用意していた市長ショック「要因を理解できなくはないが」 実現へ長年取り組み「とにかく残念」という話以外は言えなかった

  • 新病院計画中止を報告し、報道陣の取材に応じた順天堂大学の代田浩之学長(左)と同大大学院医学研究科の天野篤特任教授

    新病院計画中止を報告し、報道陣の取材に応じた順天堂大学の代田浩之学長(左)と同大大学院医学研究科の天野篤特任教授

  • 総事業費の推移

    総事業費の推移

  • 【地図】さいたま市緑区

    順大新病院の整備予定地があったさいたま市緑区

  • 新病院計画中止を報告し、報道陣の取材に応じた順天堂大学の代田浩之学長(左)と同大大学院医学研究科の天野篤特任教授
  • 総事業費の推移
  • 【地図】さいたま市緑区

 埼玉県さいたま市美園地区に予定していた順天堂大学新病院の整備計画の断念が、29日公表された。2020年度だった開院時期は、新型コロナの影響や当初計画の約2・6倍まで膨らんだ事業費などもあって度々延期となっていた。

■「とにかく残念」/さいたま市の清水市長

 さいたま市の清水勇人市長は29日、順天堂大学との面会後に取材に応じ、「計画は中止するという説明があり大変残念。今、聞いたばかりで今後の対応は未定」と述べた。

 順大側は説明の中で計画中止の理由については、建設費が当初予定していた2倍以上に膨らんだことに加えて、新型コロナウイルスの影響で医療環境が厳しくなった点を挙げたという。清水市長は「要因は理解できないことではないが長年、実現に向けて取り組んできたので、『とにかく残念』という話以外は言えなかった」として、「残念」という言葉を繰り返した。

 清水市長は8月29日の定例会見で「病院の建設が実現すれば、医療提供体制が強化され、スポーツ、健康、環境、エネルギーをテーマとする浦和美園のまちづくりの方針にも合致する」と改めて期待感を示していた。それだけに、「突然のお知らせで、ただただ驚いている」と語った。

 計画断念を受け、約4・7ヘクタールの市有地の活用方法などについて、市都市戦略本部の担当者は「今後、必要な検討は行っていくが、現時点では未定」と述べた。
 

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