川越市は、市内での客引き行為を禁止する「市客引き行為等の防止に関する条例」を制定する方針を決めた。重点区域を指定し、禁止行為を行った場合は過料を科す。氏名などの公表も行う。市は2日開会の12月定例会に条例案を提案。2025年4月1日の施行を予定している。川越市によると同様の条例は、20年4月に施行された所沢市に続き県内で2番目という。

　川合善明市長は11月28日の定例会見で、条例制定について「市民や市に来る人が、公共の場所を安心して通行できる快適な環境を確保することを目的とする」と述べた。

　市によると、市内では川越駅や本川越駅に近い「クレアモール」を中心にした繁華街で、客引きを行う人が道路上で立ちふさがったり通行人に付きまとったりするケースが見られるという。

　条例制定を巡っては、22～23年度に市内の商店街関係の4団体から要望があった。市職員が22年12月から今年10月にかけ、主に金曜日の午後9時ごろから19回にわたって行った調査では、1回当たりの平均10～20人の客引き行為を確認した。

　また5～6月に実施した街頭（クレアモール内）や電子申請によるアンケートでは、有効回答521人のうち8割以上が「客引き行為に遭った、見た」と回答。「客引き行為に規制をかけるべき」との答えが約9割に上ったという。

　市は条例でクレアモールを重点区域に指定。客引き行為などを区域内で行った場合は指導、勧告、命令を行う。命令に違反した場合、5万円以下の過料を科すほか、氏名などを公表する。

　指導や罰則など一部の規定は25年7月1日の施行を予定している。同様の条例は、全国の中核市では川越市が12番目の制定となる。