「誠に勝手ながら」…突然の閉院 大宮駅東口・西口のクリニックも 医療脱毛大手が破産 債権者9万人、負債124億円 過去最大級の消費者被害 運営の2法人 埼玉では大宮と川越に店舗
帝国データバンクによると、医療脱毛大手の「アリシアクリニック」を全国展開する医療法人社団美実会(東京都港区、登記上はさいたま市大宮区)と関連の一般社団法人八桜会(同、登記上は東京都豊島区)の2社が10日、東京地裁に破産を申請し、同日、破産開始決定を受けたことが分かった。破産管財人には志甫治宣弁護士が選任された。両法人の合計負債総額は債権者数約9万1800人に対して約124億7100万円に上り、エステ業界では過去最大級の消費者被害となる。
負債総額の内訳は美実会が債権者約5万7500人に約72億9500万円、八桜会が債権者約3万4300人に約51億7600億円。
美実会は2010年1月に設立、同年9月に法人改組された。全身医療脱毛や医療レーザー脱毛を行う「アリシアクリニック」を全国展開。テレビCMなどで知名度を高め、21年4月期には売上高約163億1500万円を計上したがその後、コロナ禍の影響で利用客が減少していた。
八桜会はコロナ禍の21年7月に設立。医療脱毛クリニック「じぶんクリニック」を運営し、今年7月から「アリシアクリニック」に名称変更し営業していた。
両法人は元々、美容脱毛サロン「銀座カラー」を運営していたエム・シーネットワークスジャパンのグループ法人として営業していたが、23年11月にグループから離脱。全国43カ所で独自に事業継続していたが、10日付で営業を停止した。県内ではさいたま市大宮区に2カ所、川越市に1カ所店舗を構えていた。
債権者数が極めて多数に上ることから財産状況報告集会(債権者集会)は予定されていない。債権者からの問い合わせは、アリシアクリニックコールセンター(電話0120・225・677)、または同ホームページの問い合わせフォーム(https://forms.gle/qvEGMSzgxJpfQXKq9 )で受け付けている。質問を集約した上で回答は破産管財人のホームページ上で掲載される予定。