<新型コロナ>10代死亡、事実経過を一部訂正 最初の通報では搬送せず、本人に健康観察しなかった理由は
2022/02/22/00:00
新型コロナウイルスに感染したさいたま市の10代後半の男性が9日に死亡した事案で、市は21日、男性が救急搬送された事実経過を説明し、一部に誤りがあったと訂正した。男性は7日に2次救急の医療機関で応急処置を受けた後、同日に3次救急の医療機関に転院して、9日に死亡した。
市保健所によると、家族が7日午前7時34分に119番。重症と診断され、救急隊と県の入院調整本部が並行して、受け入れ先を探した。救急隊は10医療機関に断られ、午前9時28分に11カ所目となる2次救急の医療機関に到着。応急処置後に重症度が高いとして、同日午後1時半、入院調整本部が調整した3次救急の医療機関に転院した。
市は16日の発表で、受け入れ要請を断ったのは5医療機関で、現場滞在時間は50分と説明していた。この日、断ったのは10医療機関で現場滞在時間は69分と訂正し、救急搬送困難事例に該当したとして陳謝した。「保健所の記録に基づいて発表し、消防の記録と一部違いがあると分かった」と理由を説明している。
一方、最初に救急要請があった6日、高熱が続いていたものの、意識レベルなどの状況から、救急搬送をしなかった。保健所の保健師は午前11時、初めての連絡で母親から聴き取り、呼吸苦などがないとして、入院に至らないと判断した。本人に健康観察をしなかったことについて、保健所は「家族から聴き取りを行うことはある」としている。
男性は2日に発熱、3日に市内医療機関を受診して陽性と判明。発生届は未提出で、保健所は6日の救急要請で初めて把握し、同日に発生届を受理していた。