高2死亡事故…生徒ら、常習的に運転か 直前にグラウンドを数周 車内から撮影、運転する動画…学校で使用のタブレットから見つかる 埼玉県警、特別捜査班を設置 車両や鍵、学校側の管理体制を捜査へ
さいたま市西区西遊馬の私立埼玉栄高校のグラウンドで11月、同校の男子生徒4人が乗ったグラウンド整備用の軽乗用車が横転して1人が死亡した事故で、事故を起こした生徒らが学校で使用していたタブレット端末から、事故以前にも生徒らが軽乗用車を運転していたとみられる動画が見つかったことが13日、県警への取材で分かった。県警は常習的に運転していた可能性があるとみて捜査している。
県警は、交通部長以下10人態勢で特別捜査班を設置。事故を起こした生徒らについては自動車運転処罰法違反(危険運転致死)など、車両や鍵の管理体制については学校側を業務上過失致死の疑いを視野に捜査する方針。
事故は11月16日午後11時半ごろに発生。男子生徒(16)が運転する車が何らかの原因でグラウンド脇ののり面に乗り上げ、助手席を下に横転した。車には助手席と後部座席に3人の生徒が同乗していて、事故当時、助手席の生徒(17)が車窓から身を乗り出していたため、車体と地面に体を挟まれ、死亡したとみられる。
県警は事故後、関与の生徒らが学校で使用していたタブレット端末を押収。今年4月以降から事故以前の約7カ月の期間で、生徒らが車両を運転していたとみられる動画が見つかった。動画は車内から撮影されていたという。
事故現場の陸上用トラックに残されたタイヤ痕から、生徒らが事故直前に、車でグラウンドを数周運転していたとみられることも分かった。
県警は、生徒らが事故以前にも常習的に車を運転していた可能性があるとして、生徒や教員らから事情を聴き、事故原因と経緯を調べている。
■深夜の高校グラウンドで車横転(以下、事故発生時の記事)
16日午後11時半ごろ、さいたま市西区西遊馬の埼玉栄高校のグラウンドで、同校2年の男子生徒3人が乗った軽乗用車が横転。助手席に乗っていた西区の生徒(17)が頭を強く打ち病院に搬送されたが、死亡が確認された。
大宮西署は同級生の生徒(16)が無免許で運転したとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)の疑いも視野に、事故の状況などを調べている。
同署によると、車はグラウンドを整備するために使い、ナンバープレートがない状態で置いてあった。グラウンド脇ののり面に乗り上げ、助手席側を下に横転したとみられる。運転した生徒と後部座席の生徒(17)にけがはなかった。3人は同校の同じ寮で暮らしており、運転した生徒らは「午後11時ごろから走っていた」と話しているという。
さいたま市消防局西消防署によると、午後11時40分ごろ、現場にいた友人が「車の助手席にはさまれ意識がない」と119番した。男子生徒は、口から出血があり、心肺停止の状態で市内の医療機関に搬送された。
現場は、JR川越線指扇駅の南西約1キロで同校の野球場などが集まる地域。