埼玉新聞

 

所沢を「知の拠点」に…ジャーナリスト・池上彰さんが会見 所沢の角川武蔵野ミュージアム新館長に就任 時事に関する情報の提供、「『もっと調べてみたい』と思ってほしい」

  • ミュージアム内の「本棚劇場」に立つ新館長の池上彰さん=13日午後、所沢市の角川武蔵野ミュージアム

    ミュージアム内の「本棚劇場」に立つ新館長の池上彰さん=13日午後、所沢市の角川武蔵野ミュージアム

  • ミュージアム内の「本棚劇場」に立つ新館長の池上彰さん=13日午後、所沢市の角川武蔵野ミュージアム

 11月に埼玉県所沢市東所沢和田の文化複合施設「角川武蔵野ミュージアム」新館長に就任した、ジャーナリストの池上彰さん(74)が今月13日、同ミュージアムで就任会見を行った。8月に死去した初代館長の著述家松岡正剛さんの後を引き継ぎ、「所沢を『知の拠点』にしたい。この場所が起爆剤になれば」と意気込んだ。

 池上さんはミュージアムについて「すっかり魅了された。『ごちゃまぜ』のありとあらゆる要素が入っている。図書館、美術館、博物館、三つの要素があることで、新たな融合が生まれるのでは」と評価。「(埼玉県内で)さいたま市が経済、行政の拠点であるならば、所沢市を中心とした県西部は文化の拠点となっていい」と語った。

 現在は執筆活動に取り組みながら大学5校で教壇に立ち、テレビのレギュラー番組にも出演する。自身の役割については、図書館法で時事に関する情報の提供について扱う規定があることを指摘。「テレビ番組でニュースを分かりやすく解説しているが、『そうなんだ』で終わるのではなく、『もっと調べてみたい』と思ってほしい。そのきっかけをここで提供することが願い」と話した。

 前任の松岡さんとは対談経験があり、「知の巨人といわれる松岡さんの後任として、果たして務まるんだろうかという思いがある」とも話す。「松岡さんが築いた伝統を守りながら、私の色合いをこれから少しずつ出していければ」と展望した。今後はウェブサイトに掲載する「館長通信」の執筆のほか、企画展示やイベントに携わるという。

 同席したミュージアムのゼネラルプロデューサー宮下俊さんは「私たちがやってきた文化を幅広い人に伝えるということが、先生のジャーナリスティックな視点と両方重ねれば、さらに強くなる」と期待した。

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