埼玉新聞

 

埼玉ほぼ倍増…電動アシスト自転車の人身事故、30代が最多を占める理由 モペットも取り締まり強化 車道モードの電動キックボード、歩道を走行し罰金も

  • ペダル付き原動機付自転車の整備状況を調べる警察官ら=13日、川口市西川口3丁目(画像の一部を加工しています)

    ペダル付き原動機付自転車の整備状況を調べる警察官ら=13日、川口市西川口3丁目(画像の一部を加工しています)

  • ペダル付き原動機付自転車の整備状況を調べる警察官ら=13日、川口市西川口3丁目(画像の一部を加工しています)

 昨年1年間の県内での電動アシスト自転車が絡んだ人身事故件数は121件で、一昨年よりも57件(89・0%)増加した。過去5年で見ても最多で、増加傾向にある。一方、昨年1年間の死者数はゼロで、過去5年間で最小だった。

 昨年1年間の人身事故件数を年代別で見ると、30代が40件(33・0%)で全体の3割を超え最多。65歳以上の高齢者が23件(19・0%)、40代が22件(18・1%)と続いた。状態別では、ほかの車両との出会い頭の事故が60件(49・5%)で最多。右左折時の事故が36件(29・7%)で、2区分だけで全体の約8割に上った。

 県警交通総務課は30代が突出している理由について、電動アシスト自転車に子どもを乗せる子育て世代が影響している可能性もあると分析。「自分自身を守るためにも、乗車時のヘルメット着用をお願いしたい」と呼びかけている。

■川口で小型モビリティー取り締まり

 県警交通総務課や川口署などは13日、川口市で自転車や小型モビリティーへの街頭指導、啓発活動を行った。自転車や小型モビリティーの正しい交通ルールを周知し、悪質で危険な乗り方をしている運転者の取り締まった。

 取り締まりは同市の交通量の多い西川口陸橋付近で実施した。11月に改正された道路交通法では、自転車のながら運転や酒気帯び運転の罰則が強化され、ペダル付き原動機付自転車(通称モペット)の運転が明文化されたことから、県警は周知、取り締まりを強化している。

 自転車に対しては罰則化されたことを周知する啓発品を配った。約2時間の取り締まりでは、モペットの無免許運転が2件、特定小型原動機付自転車の通行区分違反が1件あった。モペットは免許やナンバーの登録が必要で、方向指示器やブレーキランプの整備も義務付けられている。

 特定小型原動機付自転車には電動キックボードなどが含まれている。歩道を走れるモードと車道を走るモードの切り替えが可能なものもあり、それぞれ最高速度が異なる。今回の違反者は最高20キロまで出る車道のモードで歩道を走行したため、通行区分違反となり、6千円の罰金が科せられた。

 交通ルールを正しく知らないまま乗っている人も散見されることから、県警は「周知と取り締まりを織り交ぜながら、交通秩序の整序化に努めていく」としている。
 

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