―それ、闇バイトです 高校生ら、春日部の駅前で訴え 埼玉県警初、高校生に「闇バイト加担防止サポーター」委嘱 バイトできる年頃、より身近な危険に 県警「闇バイトは犯罪、絶対に手を出さないで」
若者が強盗などの犯罪に加担する「闇バイト」を抑止しようと、県警少年課と春日部署は13日、春日部共栄高校の生徒らと防止キャンペーンを実施した。県警は「闇バイトは犯罪」と訴えており、「闇バイト加担防止サポーター」に委嘱された生徒らは、春日部市の東武春日部駅前で、下校途中の高校生ら通行人に「闇バイトはやめて」と呼びかけた。
県警が闇バイト防止のサポーターを高校生に委嘱するのは初めて。キャンペーンでは、チラシや、「(闇バイトに)関わりません」という決意を込めた瓦せんべいを配布。生徒の声で「SNS(交流サイト)で『楽』『簡単』『高収入』と強調し、個人情報を送信させる―それ、闇バイトです。応募し、抜け出せなくなったら警察に相談を」と呼びかける放送も行われた。
音声を吹き込んだ同校生徒会メンバーで1年生の平山爽華(さやか)さん(16)は「募集の投稿は見たことはないけど、うっかり信じてしまうかも」と警戒感を強めた。同校では禁止されているアルバイトに憧れがあると打ち明け、「自分の得意が発揮できる分野のアルバイトをしてみたい」と話した。
生徒会長で2年生の渡辺結仁さん(17)は、「『楽で高収入』とのうたい文句は、ちょっと怪しい」と首をかしげ、「同年代がバイトできる年頃になり、闇バイトをより身近な危険と感じるので、周囲の人に注意喚起したい」と強調した。
同署の沢田好一署長は、あいさつで「闇バイトはアルバイトでなく犯罪。自分の未来のため、絶対に手を出さないで」と訴えた。闇バイトで悩む人については「警察は相談を受けた方、家族を確実に保護する。犯罪に加担する前に一刻も早く相談するよう訴えてほしい」と高校生らに依頼した。
この日は少年の健全育成の機運醸成に取り組む「埼玉横断リレー」のたすきが上尾地区から、春日部地区の山崎泉会長に引き継がれた。