小4死亡ひき逃げ 時効撤廃求める意見書 母が請願、熊谷市議会で採択 時効の成立まで残り5年を切る
2024/12/20/09:33
熊谷市議会は12月定例会最終日の19日、「死亡ひき逃げ事件の時効撤廃を求める意見書」を全会一致で採択した。市内で2009年9月、小学4年生の小関孝徳さん=当時(10)=が車両にひき逃げされて死亡した未解決事件の母親が、議会から関係機関に意見書を提出するよう請願。同日、全会一致で採択され、意見書がまとめられた。
事件では県警が19年9月、罪名を自動車運転過失致死罪から危険運転致死罪に変更し、時効が20年となって10年延長。捜査を継続しているが、時効の成立まで残り5年を切っている。意見書では、死亡ひき逃げ事件が故意に逃走を図る凶悪な犯罪であるにもかかわらず、時効が最長でも20年となっていることを問題点として挙げ、「遺族らの被害感情に沿わないばかりか、一般的な規範意識からもかけ離れてしまう」と指摘。凶悪な犯罪を許さない社会を実現するため、国に対して時効撤廃の検討を求めている。
意見書は首相や衆参両院の議長と法相、国家公安委員長に提出される。議会を傍聴した母親は「動いていただいた市議会に感謝したい」と採択を歓迎した。紹介議員の黒沢三千夫市議(志桜会)は「地元の議会から、国を動かしていきたかった。こうした意見書が、ほかの議会にも広がってほしい」と期待した。