埼玉新聞

 

30万円を上限、住宅取得に埼玉・幸手市が補助 若年層の転出に歯止めかからず、額を倍に移住・定住を促進

  • 幸手市役所=幸手市東

 幸手市は、40歳未満の世帯が転入により市内で初めて住宅を取得する際、30万円を上限に費用を補助する事業を盛り込んだ2022年度一般会計当初予算案を、市議会3月定例会に提案している。同市は昨年人口が5万人を割り込んでおり、若年層にターゲットを絞り、補助を手厚くして移住・定住促進に弾みをつけたい考えだ。

 これまで同市では、親世帯が市内にあり、市外に居住していた子世帯が同市に初めて住宅を取得する際、15万円を上限額として補助。親世帯と子世帯が市内で同居・近居する3世代ファミリーの形成を主眼に置いていた。しかし、昨年6月に人口が5万人を割り込んだ上、17年からの5年間で20~30代の男性が18・3%、女性が20・2%減少。若年層の転出に歯止めがかからず、制度の利用者も減少傾向にあった。

 そこで、親世帯の居住地を問わず、補助額を倍にする方向で見直し。住宅取得費の5%を30万円を上限に補助することにした。事業費は総額300万円。

 同市総務課では「人口5万人を割り込むことは想定内だったが、市として移住・定住促進を強化する姿勢を示した」としている。

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