埼玉新聞

 

理解できない…いじめられた男児の卒業文集、学校が修正を要求 「笑顔を大切に生きていきます」と締めくくった文章に学校「特定されるかも」…男児の親「修正しない」

  • 【地図】さいたま市

    小4いじめ 被害男児の卒業文集、修正要求=さいたま市

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 2022年度にさいたま市立小学校で、当時小学4年の男子児童がいじめが原因で一時不登校となり「重大事態」と認定された問題で、現在6年生の男児が、自身のいじめられた体験を卒業文集に書いたところ、学校側から「個人(加害児童)の特定につながる可能性がある」として、修正を求められていたことが分かった。男児の保護者は「応じるつもりはない」としている。

 関係者によると、男児が作文を書き上げ、今月16日に提出したところ、20日に校長の名前で、「文書の中の『四年〇組』の言葉が、個人の特定につながる可能性があると思われるので、一度相談させてほしい」と修正を求める旨のメールが弁護士宛てに届いた。

 男児は、「笑顔」というタイトルの作文の中で4年生の時にクラスメートから暴言や暴力を受けて学校に行けなくなった体験を記した上で、心配して、支えてくれた人たちへの感謝を胸に、「いつか恩返しできるように努力していきます」「『笑う門には福来る』のことわざを信じて、僕は笑顔を大切に生きていきます」と締めくくっている。

 男児の保護者は埼玉新聞の取材に「担任の名前も加害児童の名前も書いていないので、特定されると言われることは理解できない」とし、「今のところ、修正の要求に応じるつもりはない」と述べた。

 学校側は「個別の案件につき、コメントは差し控える」としている。

 一連の問題で市教育委員会は23年10月、いじめ防止対策推進法の定める「重大事態」と認定。いじめの経緯や事実関係、学校側の対応が適切だったかを調査する第三者委員会を設置して、これまでに被害児童本人や保護者から聞き取りを行うなど複数回実施している。
 

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