埼玉新聞

 

血がひどい…ドバッ、ドバッと続く 男性死亡、マンション到着10分以内に流血 怖くて震える人々…もう少し遅ければ自分が被害か 住人女性「助けを求めて外に出ようとし、力尽きたのか」

  • ブルーシートがかけられた現場のマンションで鑑識作業をする捜査員=27日午前2時ごろ、所沢市東住吉

    ブルーシートがかけられた現場のマンションで鑑識作業をする捜査員=27日午前2時ごろ、所沢市東住吉

  • 【地図】所沢市

    事件が起きた所沢市

  • ブルーシートがかけられた現場のマンションで鑑識作業をする捜査員=27日午前2時ごろ、所沢市東住吉
  • 【地図】所沢市

 26日午後9時40分ごろ、所沢市東住吉のマンション敷地内で、男性が血を流して倒れているのを通りがかった20代男性が発見。「人が倒れており、付近に大量の血だまりができている」と110番した。男性は意識のないまま救急搬送されたが約2時間後に死亡が確認された。県警は27日、現場の状況などから殺人事件と断定し、所沢署に刑事部長を本部長とする80人態勢の捜査本部を設置して調べている。

 捜査関係者によると、男性は通報される約10分前に車でマンションを訪れていたとみられ、隣接する駐車場には男性の車が止めてあった。

 マンションの上層階から男性が発見された1階の出入り口にある階段付近にかけて、続けて血痕が見つかった。

 県警は男性が上層階で何らかの事件に巻き込まれた可能性もあるとみて、当時の詳しい状況や経緯を調べている。

■突然の事件、住民に驚き

 所沢市東住吉のマンション敷地内で、血を流して倒れていた男性が死亡した事件。27日未明、男性が発見されたマンション1階の入り口には、血とみられる跡が複数箇所で残り、県警の捜査員が規制線の奥で壁や手すりなどを入念に調べていた。

 現場のマンションは県道に面し、交通量は多いものの、深夜の人通りは少ないという。マンションの大家の男性は、警察から「人が倒れている」と連絡を受け駆け付けた。ワンルームマンションで近所付き合いは少ないと語り、「これまでに入居者のトラブルは聞いたことがなく、相談もなかった。全容が分からず怖い」と声を震わせた。

 マンションの入居者の女性は「(建物内に残る)血がひどい。特に3階に『ドバッ』『ドバッ』という感じで集中して、階段へと続いていたので、被害者は助けを求めて通りに出ようとして力尽きたのでは」と沈痛な面持ちで、「早く捕まえてほしい。正直、引っ越したい」と不安を訴えた。

 1階に事務所を借りている会社経営者の男性(59)は「建設業の寮のような利用や、女性の単身入居もあるが、変な人はおらず、トラブルもない」と驚きを隠せない様子で「(26日は)午後8時くらいにマンションを出た。もし通り魔的犯行なら、もう少し遅ければ自分が被害に遭っていたかも」と話した。

 道路を挟んで現場の反対側に住む男性(71)は「昨晩はいつも通り就寝した。特に異変はなく、朝になって警察官や警察犬で騒然として驚いた。マンションの住人に関するトラブルはこれまでなく、こんな近くで殺人事件が起きるなんて」と話し、防犯パトロールを担当する付近の小学校の関係者から心配の連絡があったと明かした。マンションには男女問わず若い住人が多い印象で、「子どもの通学などが心配。早く解決してほしい」と願った。

 事件を受けて所沢市は27日午前10時50分ごろ、「在宅中でも確実に玄関や窓を施錠するなどの対策を」と注意喚起するメールを住民に送信し、「不審者を見かけたら所沢署または110番を」と呼びかけた。
 

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