埼玉新聞

 

埼玉、3年間で2倍に増加 子ども食堂、県内478カ所に 認知拡大、企業や業者が開催するケースも 「こどもの居場所」さらなる拡大へ、県など支援進める 足を運びやすい環境の整備

  • 県子ども食堂ネットワークの「子ども食堂MAP(2024年5月現在版)」(同ネットワーク提供)

    県子ども食堂ネットワークの「子ども食堂MAP(2024年5月現在版)」(同ネットワーク提供)

  • 県子ども食堂ネットワークの「子ども食堂MAP(2024年5月現在版)」(同ネットワーク提供)

 困窮家庭などの子どもの食事を支え、家庭や学校以外の第三の居場所として活用される子ども食堂。県の実態調査によると、その数は県内478カ所(2024年3月末現在)で、過去3年間で約2倍に増加した。子どもの9人に1人が貧困状態にあるとされる中、県などは子ども食堂などの「こどもの居場所」のさらなる拡大に向けた支援を進めている。

 県内の子ども食堂は、21年2月末の248団体から、22年3月末に341団体、23年3月末で442団体と増え続けている。ただ、厚生労働省の発表では、17歳以下の子どもの相対的貧困率は21年時点で11・5%。子どもがいる現役世代のうち、ひとり親世帯の貧困率は44・5%と約半数に達する。

 子ども食堂などの子どもの居場所づくりを支援するために、県が賛同市町村や県社会福祉協議会などとともに立ち上げた「こども応援ネットワーク埼玉」では、20年2月から子どもの居場所マップをホームページ上で公開。経済的に苦しい家庭の子どもや夕食を1人で食べている子どもが、地域の子ども食堂などに足を運びやすい環境の整備を進めている。

 マップでは、県内の子ども食堂のうち掲載を希望した351団体について、所在自治体別に検索することができ、団体の住所や連絡先、子ども食堂の開催日や料金を確認することができる。各団体の特色や活動方針なども紹介されている。

 県内の子ども食堂の広がりについて、県こども支援課の担当者は「子ども食堂の活動が認知されてきている。個人だけでなく、企業や業者が開催するケースもあり、担い手の裾野が広がっている」と話す。

 こども応援ネットワーク埼玉は、子ども食堂などの子どもの居場所づくりに取り組む人への支援として、専門家の派遣を通じて開設・運営ノウハウの提供も行っている。問い合わせは、同団体(電話048・830・3348)へ。

 また、県内230団体が加盟する「県子ども食堂ネットワーク」でも、加盟団体の食堂名や代表者名、開催場所、問い合わせ先を一覧にした冊子を配布。子ども食堂の新規立ち上げや運営もサポートしている。問い合わせはメールで、saitama.ks.net@gmail.comへ。

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