埼玉新聞

 

流血の女性発見、小6男児が優しく保護 偶然通った女性が通報、女性の携帯で母へ男児が電話「助けないと」

  • 丹下浩之署長から感謝状を受け取った小山櫂聖さん(右)=川口署

 学校帰りに高齢女性を救助したとして、川口署は、川口芝小6年の小山櫂聖(かいせい)さん(12)に感謝状を贈呈した。

 小山さんは7日午後4時ごろ、学校からの帰り道でフェンスにもたれかかる80代女性を発見。女性は顎を擦りむき、口に血がついていて「大丈夫ですか」「おうちまで送りますよ」と声を掛けた。女性は足取りが安定せず、交通量も多かったため小山さんは右手で背中を支えながら、左手で「坂になっているので気を付けて下さい」などとジェスチャーして、安心させるように案内したという。

 その後、遊歩道に移動し、自転車で通り掛かった女性が110番。小山さんも散歩していた女性から携帯電話を借りて母恵里香さん(35)に連絡した。周囲の力を借りながら女性を救助した小山さんは「見た時にけがをしていたので、これは助けないといけないと思った」と力を込める。恵里香さんは「(櫂聖さんは)人見知りがなく、声を掛けられる子。女性が無事にご家族の元に帰れて良かった」と笑顔でわが子を見つめた。

 在任した2年で初めて小学生に感謝状を渡したという同署の丹下浩之署長は「見て見ぬふりをせず、声を掛けてくれて本当にありがたい。なかなかできることではない」と賛辞を贈った。

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