血がドバッ、ドバッと大量…男性死亡、マンション3階に住む女の部屋から1階まで流血 その後、遠方まで立ち去った女を逮捕 部屋を施錠した人と同一人物か 震える住民「ひどい」 部屋を借りていたのは別の女性
埼玉県所沢市東住吉のマンション敷地内で男性が殺害された事件で、何らかの事情を知っているとみられる中国籍の30代女が29日午前、福井市内の路上で確保されたことが所沢署捜査本部への取材で分かった。捜査関係者によると、県警は女を入管難民法違反(不法残留)の疑いにより、福井南署内で逮捕。男性殺害についても事情を聴く方針。
女は事件があった部屋に住んでいたとみられ、犯行時間帯にマンションから立ち去っていた。事件があった部屋の利用者が事件後に玄関の外から施錠して立ち去っていたことが判明。女は28日に新幹線で福井に来たとみられ、県警が同一人物かどうか調べる。
殺害されたのは、茨城県ひたちなか市中根、会社員の男性=当時(25)。26日午後9時40分ごろ、所沢市東住吉のマンション1階の出入り口にある階段付近で血を流して倒れているのを通行人に発見され、救急搬送されたが約2時間後に死亡が確認された。
事件があったとみられる3階の一室から発見場所にかけて、血痕が連続して付いていた。室内からは凶器の可能性があるナイフ1本が発見され、同本部が押収していた。男性は同部屋で殺害されたとみられ、下半身に刃物のようなもので付けられた外傷があった。同部屋は月単位で貸し出されるタイプで、逮捕された女とは別の女性が今年11月~来年1月末まで借りていた。
男性は、事件当日の26日午前6時過ぎ、茨城県ひたちなか市の自宅から出勤する様子を家族に確認されていた。同県内で午後5時まで仕事をした後、車で事件現場まで向かったとみられる。通報の10分前に現場マンションを訪れ、インターホンを押して3階の室内に入った後で被害に遭った。県警は男性が現場に向かった背景や経緯を調べている。
■住民ら恐怖「もう少し遅ければ自分が被害か」(以下、逮捕前の記事)
所沢市東住吉のマンション敷地内で、血を流して倒れていた男性が死亡した事件。27日未明、男性が発見されたマンション1階の入り口には、血とみられる跡が複数箇所で残り、県警の捜査員が規制線の奥で壁や手すりなどを入念に調べていた。
現場のマンションは県道に面し、交通量は多いものの、深夜の人通りは少ないという。マンションの大家の男性は、警察から「人が倒れている」と連絡を受け駆け付けた。ワンルームマンションで近所付き合いは少ないと語り、「これまでに入居者のトラブルは聞いたことがなく、相談もなかった。全容が分からず怖い」と声を震わせた。
マンションの入居者の女性は「(建物内に残る)血がひどい。特に3階に『ドバッ』『ドバッ』という感じで集中して、階段へと続いていたので、被害者は助けを求めて通りに出ようとして力尽きたのでは」と沈痛な面持ちで、「早く捕まえてほしい。正直、引っ越したい」と不安を訴えた。
1階に事務所を借りている会社経営者の男性(59)は「建設業の寮のような利用や、女性の単身入居もあるが、変な人はおらず、トラブルもない」と驚きを隠せない様子で「(26日は)午後8時くらいにマンションを出た。もし通り魔的犯行なら、もう少し遅ければ自分が被害に遭っていたかも」と話した。
道路を挟んで現場の反対側に住む男性(71)は「昨晩はいつも通り就寝した。特に異変はなく、朝になって警察官や警察犬で騒然として驚いた。マンションの住人に関するトラブルはこれまでなく、こんな近くで殺人事件が起きるなんて」と話し、防犯パトロールを担当する付近の小学校の関係者から心配の連絡があったと明かした。マンションには男女問わず若い住人が多い印象で、「子どもの通学などが心配。早く解決してほしい」と願った。
事件を受けて所沢市は27日午前10時50分ごろ、「在宅中でも確実に玄関や窓を施錠するなどの対策を」と注意喚起するメールを住民に送信し、「不審者を見かけたら所沢署または110番を」と呼びかけた。