埼玉新聞

 

<高校野球>喜びかみしめた「浦学サンバ」 昨夏は録音流したブラスバンド、アルプスでの生演奏に涙

  • アルプススタンドから選手たちにエールを送る浦和学院の生徒たち=19日午前、甲子園球場

 第94回選抜高校野球大会の開幕試合に登場した浦和学院は、21世紀枠で選出され初出場の大分舞鶴に4―0で完封勝利した。一塁側アルプススタンドでは、浦和学院のブラスバンド37人を含む約400人の応援団が選手たちを鼓舞。約3年半ぶりの「生演奏」で初陣に花を添えた。

 一回裏、浦和学院の攻撃、同校のオリジナル曲「浦学サンバ」の美しい音色が春の甲子園に鳴り響いた。

 今大会は、新型コロナウイルス感染対策により、アルプススタンドは各校1800人を上限とし、うちブラスバンドの入場は50人以内に制限された。

 同校のブラスバンドがアルプススタンドで演奏するのは2018年の第100回全国高校野球選手権大会以来、約3年半ぶり。昨夏の第103回選手権大会では、人数制限した中で吹奏楽の演奏が認められたが、同校はブラスバンドが録音した音源を使用し、球場内で流す措置を取った。

 待ちわびた瞬間が訪れ、吹奏楽部部長の松沢麻子さん(17)は「やっとここに来られたと思うと感極まった」と涙を浮かべ、喜びをかみしめた。ソングリーダー部部長の大谷実悠さん(17)は「コロナ禍で応援できるか不安もあったけど、選手に応援できることを楽しみたい」と、マスク越しに満面の笑みを浮かべた。

 試合はエース宮城が完封するなど4―0で勝利し、アルプススタンドは歓喜に包まれた。

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