埼玉新聞

 

精神疾患で休職の教員 3年連続で過去最多の308人 埼玉県の公立学校 要因は仕事上のストレスや私生活での人間関係など、多岐に

  • 【地図】埼玉県(周辺アリ)

    精神疾患で休職の教員 3年連続で過去最多の308人

  • 【地図】埼玉県(周辺アリ)

 埼玉県内では、2023年度に精神疾患を理由に休職した公立学校の教員はさいたま市を除き、22年度より41人多い308人となり、3年連続で過去最多となった。さいたま市は5人多い70人で、5年連続で過去最多。県内全体では計378人に上り、5年連続で過去最多を更新した。

 県教育局福利課によると、精神疾患の要因は仕事上のストレスや私生活での人間関係など、多岐にわたるという。増加した背景には、生活環境の複雑化による心理的負担の増加やストレス耐性の低下が挙げられるほか、精神疾患に対する世間の認識が広まっていることも背景の一つとしている。

 県教育委員会は、今回の調査結果について「重く受け止めている」とし「質の高い教育を推進するには、教員がいきいきと職務に取り組む必要がある」と指摘。予防策として一般教員に対してセルフケアの方法を学ぶ研修や、管理職の教員には精神疾患の早期発見・対応を身に付ける研修を行うほか、産業医・保健師による健康相談、医療機関への相談窓口の設置など対応を進めるとした。

 吉川市では24年度、教員の出産、育児、病気、退職が重なり、市立小中学校の教員7人の欠員が生じた。中学校1校で定期テストが実施できなかったり、英語が2週間にわたり自習になるなど、生徒に直接的な影響が出ている。

ツイート シェア シェア