埼玉新聞

 

【動画】突然“あられ”つかみ、まき合う 今も残る風習 埼玉・吉川で新年祝う春祭り 的に矢を射る「オビシャ」も 県東部で引き継がれる的射行事…氏子の減少などで存続の危機にも

  • 拝殿であられをまき新年を祝う氏子ら

    拝殿であられをまき新年を祝う氏子ら

  • オビシャで的を射る参加者

    オビシャで的を射る参加者=7日午前、吉川市高富の高富蕎高神社

  • 拝殿であられをまき新年を祝う氏子ら
  • オビシャで的を射る参加者

 埼玉県吉川市高富地域で新年を祝う「春祭り」が7日、高富蕎高(そばたか)神社で開かれ、恒例のあられまきと、「オビシャ(御歩射)」と呼ばれる的射行事が行われた。

 五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を願い、江戸中期から行われているとされる。県東部各地で引き継がれているオビシャ。高富地域では、オビシャの前に穀物をいったあられをまく風習が今も残る。

 この日は地域住民らが見守る中、拝殿で祭典が開始。神事が終わり直来(なおらい)が始まると突然、氏子が新年を祝う言葉をかけながら、あられをつかみまき合った。

 ひと段落すると一同は屋外に出て、次々と的にめがけて矢を射った。失敗が続いたものの、最後の男性が的を射ると会場から拍手が起こった。市生涯学習課によると、市内8カ所でオビシャ行事が開催。少子高齢化や氏子の減少、新型コロナの影響で、行事の存続が危ぶまれているという。

 同神社氏子総代の加崎晃さん(82)は「あられを大いにまいて、今年も無病息災、家内安全、皆さんにとって良い年であってほしい」と話している。

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