埼玉新聞

 

J1浦和 ホームスタジアム「埼玉スタジアム」の指定管理外れる ホームページで「遺憾」の声明

  • 埼玉スタジアム=さいたま市緑区

    埼玉スタジアム=さいたま市緑区

  • 【地図】さいたま市緑区(背景白)

    埼玉スタジアムのあるさいたま市緑区の位置

  • 埼玉スタジアム=さいたま市緑区
  • 【地図】さいたま市緑区(背景白)

 サッカーJ1の浦和は8日、埼玉スタジアム2002公園の指定管理者募集(指定期間2025年4月1日~30年3月31日)への申し込みが非指名になったとクラブ公式ホームページで発表し、「このような結果となり大変遺憾」と声明を出した。

 浦和は現行の期間(20年4月1日~25年3月31日)の指定管理者である「埼玉スタジアム2002公園マネジメントネットワーク」の構成団体の一つとしてスタジアムの管理・運営やホームタウン活動などに取り組んできたものの、新たに選定された同ネットワークから外れることになった。

 管理期間で浦和は計38カ所のトイレ改修やバックスタンド壁面へのLEDリボンボード(動画看板)の設置といったハード施策のほか、「パンフェス」や「もみの木クリスマスイルミネーション」などソフト施策も行ってきた。一方で、20年以降の約3年間は新型コロナウイルス感染拡大により試合やイベントの開催に制限が生じるなど、目標設定した収益額を確保することができなかった。

 声明では「団体ごとの方針や価値観の隔たりが大きく、最後までその解決に努めたものの、相乗効果という点においては十分な成果を出すことができなかった」「埼玉スタジアムのさらなる価値向上のため、主体的な立場となり管理、運営に取り組む」などと経緯について言及した。

 県の指定管理者制度では選定された団体以外の団体名を非公表としているものの、県が7日に公表した選定などの経緯によると、応募申請団体は2団体。審査結果(1次、2次審査計135点満点)は同ネットワークが113・9点、浦和とみられる団体は110・4点だった。

 同ネットワークの選定理由には「音楽ライブ(コンサート)でのスタジアム利用や埼玉スタジアム2002オリジナルグッズの販売など、新たな収益源の確保に向けた具体的な提案が行われている」などが挙げられている。

 浦和とみられる団体に対する選定委員の意見には「管理運営に当たり、使用者・利用者に対して公平な対応が確立されているのか、指定管理者と利用者が明確に区分できているとは言い難い」との指摘があった。浦和は埼玉新聞の取材に対し「発表しているリリースが全てであり、それ以上のコメントはない」としている。同公園の23年度事業報告書で示された決算額では、県が負担している3億485万円の指定管理料を含めた収入合計は約10億5100万円。支出合計は約10億3千万円となっている。

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