埼玉新聞

 

埼玉の県立高校、最大19校減 県教委が方針、38年までに 共学化は推進 背景には少子化…国際教育の学科、定時制・通信制、中高一貫校の設置、学校の統合など検討 県民からも意見集める

  • 魅力ある高校づくりの方針(案)について会見を行う県教育局魅力ある高校づくり課の担当者ら

    魅力ある高校づくりの方針(案)について会見を行う県教育局魅力ある高校づくり課の担当者ら=9日午後、県庁

  • 魅力ある高校づくりの方針(案)について会見を行う県教育局魅力ある高校づくり課の担当者ら

 埼玉県教育委員会は9日、県立高校の教育活動・教育環境の充実と再編整備を進めるための「魅力ある県立高校づくりの方針(案)」を公開した。同方針案では、少子化などを理由に2038年4月までをめどに、県立高校(26年4月段階で131校)を116~112校程度まで再編することを検討。国際教育プログラムを導入した学科の設置なども盛り込まれた。10日からは、同案に対する県民コメントの募集が実施される。

 方針案では、一定の学校規模を維持することを考慮しながら、県全体や地域別の公立中学校等卒業者数の減少の状況や高校数を踏まえ、県全体では15~19校、地域別で見ると南部・さいたま・県央地域で2~4校、南西部・川越比企・西部地域で6~8校、東部・利根地域で5~7校、北部・秩父地域で1~3校の再編を検討している。

 背景にあるのは、少子化だ。県教育局魅力ある高校づくり課によると、38年3月までに公立中学校等卒業者数は約4万4100人と、24年3月より約1万4800人減少することが見込まれる。一定の学校規模の維持などに努めるため、学校の統合など再編整備に取り組むという。

 対象校については、全県を俯瞰(ふかん)しながら、県立高の生徒数の現状と周辺の公立中学校等卒業者数の見込み、周辺の高校の通学状況や交通利便性など再編整備の観点を踏まえ検討した上で、県教委が示す実施方策を5期程度に分けて公表していく。

 また、方針案では高校の特色化・活性化を図るため、高い語学力や国際的に活躍する資質の育成を目指す国際教育プログラムを導入した学科や、ロボットや航空機など先端技術を活用したものづくりを学ぶ専門学科の設置、課程の変更を柔軟に行うことができる昼夜開講定時制・通信制の高校、中高一貫教育校の設置を検討するとした。

 そのほか、県立校の共学化の推進については、24年8月に公表した措置報告書の通りに推進するとした。

 10日からは、魅力ある県立高校づくりの方針(案)に対する県民コメントが実施される。募集は2月9日までで、集められた意見を考慮して同方針を策定する予定。資料や意見の提出方法などについては県ホームページから確認できる。

 問い合わせは県教育局魅力ある高校づくり課(電話048・830・6902)へ。

ツイート シェア シェア