埼玉新聞

 

母死亡…自宅で倒れた状態 「楽になりたい」と思った長男、法廷で窒息死させたと認める 軽度の知的障害あった無職42歳、母を病院で受診させず 弟2人と介護していた

  • 【地図】新座市

    42歳男、起訴内容認める 自宅で母親殺害=新座市

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 昨年2月13日、新座市内の自宅で母親を殺害したとして、殺人の罪に問われた同市栄5丁目、無職の男(42)の裁判員裁判の初公判が22日、さいたま地裁(小池健治裁判長)で開かれた。男は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、母親が2023年1月のけがをきっかけに寝たきりとなり、男は2人の弟と共に自宅で介護していたと説明。男に軽度の知的障害があり、病院を受診させることはなかった。昨年1月ごろから介護に負担を感じ、「殺して楽になりたい」と思うようになったと指摘した。

 弁護側は、母親が要介護4の状態に近く、男の性格や能力を超える負担となっていたと主張。事件直後に交番へ出頭したことや、犯行は計画的でないとして保護観察処分を求めた。

 起訴状などによると、男は昨年2月13日、新座市の自宅で、母親=当時(69)=の首を絞めて窒息死させたとされる。

■母は部屋着であおむけ(以下、初報記事)

 新座署は2024年2月13日、自宅で母親を殺害しようとしたとして、殺人未遂容疑で、新座市栄5丁目、無職の男(41)を逮捕した。

 逮捕容疑は13日午前、自宅マンションの居室で、母親(69)の首を絞めて殺害しようとした疑い。母親は病院に搬送され、死亡が確認された。

 同署によると、同日午前9時20分ごろ、男が警視庁石神井署の交番に「母親を殺した」などと自首。警視庁から転送を受けた新座署員らが現場に駆け付けたところ、居室内であおむけに倒れている母親を発見した。母親に目立った外傷はなく、部屋着を着ていた。現場にいた男に任意同行を求め同署で事情を聴いたところ、「首を絞めた」と供述したため殺人未遂容疑で逮捕した。

 男は母親の長男で、同マンションで同居していた。同署は遺体を司法解剖し、詳しい死因を調べるとともに、動機などを捜査している。
 

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