埼玉新聞

 

<熊谷小4ひき逃げ>13年前のこと思い出して…母親ら現場付近でチラシ配布「犯人逮捕につながると」

  • 車のドライバーにチラシを手渡し、情報提供を呼びかける母親(右)=15日午後3時45分ごろ、熊谷市仲町の八木橋百貨店前

 熊谷市で2009年9月、小学4年の小関孝徳君=当時(10)=が死亡した未解決のひき逃げ事件で、県警と孝徳君の母親らは「春の全国交通安全運動」最終日の15日、事故現場付近にある同市仲町の八木橋百貨店前の県道で、ドライバーなどにチラシを配布し、情報提供を呼びかけた。

 事故が起きたのは09年9月30日午後6時50分ごろ。孝徳君は自転車で帰宅途中に、熊谷市本石1丁目の市道で事故に遭った。16年に道交法違反(ひき逃げ)の時効が成立。県警は自動車運転過失致死罪の時効が目前だった19年9月、罪名を危険運転致死罪に変更し、捜査を継続することになり、時効は10年延長された。

 県警は県警本部交通捜査課と熊谷署の計21人が参加。車が多い県道太田熊谷線で、400枚のチラシを車のドライバーなどに手渡した。チラシ配布に協力するため、東松山市から訪れた社会福祉相談員小島祥子(さちこ)さん(50)は「4月から社会人となった息子は孝徳君と同じ年で、遺族はつらいだろうなと思った。こういう事故はもうあってほしくない」と語った。

 母親も雨の中でかっぱを着用し、ドライバーに情報提供を求めた。事故から時間が経過したことで情報提供も少なくなってきており、「13年前のことを思い出してもらうことは大変だけど、いつか情報提供が犯人逮捕につながると信じている」と話した。

 街頭活動前に母親は地元のコミュニティーFM「FMクマガヤ」にも生出演。県議会2月定例会で、国に対して「死亡ひき逃げ事件における公訴時効撤廃に向けた法整備等を求める意見書」が可決されたことや、情報提供のために行っているブログなども紹介し、「急に車を買い替えたり、放置車両の情報があったら教えてほしい」と訴えた。

 母親のブログは「《未解決》熊谷市小4男児死亡ひき逃げ事故!」(https://ameblo.jp/kosekitakanori/)。

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