埼玉新聞

 

「一人で生きていけるのか」 養護施設の中高生が文章に思いつづる 不安や悩み、諦めも

  • 児童養護施設の子どもたちの作文集「わがままは言わない」(県社会的養護を考える会提供)

    児童養護施設の子どもたちの作文集「わがままは言わない」(県社会的養護を考える会提供)

  • 児童養護施設の子どもたちの作文集「わがままは言わない」(県社会的養護を考える会提供)

 社会的養護に関心のある学生・社会人らが中心となって活動する「埼玉県社会的養護を考える会」は、児童養護施設で生活する中学生と高校生が将来への不安や施設に対する思いなどをつづった作文集「わがままは言わない」を発刊した。

 2024年9月に同会は、県内外10の児童養護施設と3日間のキャンプを実施。学生のほか、児童養護施設出身者や遺児体験を持つボランティアが参加し、最終日に施設の子どもたちに「普段、施設やホームで考えている本当のこと」をテーマに、匿名で作文を書いてもらったという。

 作文では「施設を出た後、一人で生きていけるのか」「親という後ろ盾がないから社会に出たとしてもやっていけるかな」と不安を吐露する一方、「他人に自分の困っていることを話しても駄目だと諦めている」と相談できる環境がないとする声も見られた。

 同会の担当者は、施設の子どもたちにとって、信頼できる大人との出会いや継続的に相談できる環境が必要だとし、「同会が施設の子どもたちと大人をつなぐ橋渡しの存在になれたら」と話した。

 作文集は、15人の中高生の作品をまとめたもので、無料で配布している。申し込みはメール(camp.yougo@gmail.com)に氏名、郵便番号(ハイフンあり)、住所、希望冊数を明記。

 問い合わせは、同会事務局(電話080・6001・8880)へ。

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