埼玉新聞

 

性の悩み「SOS受け止めて」 産婦人科医の「サッコ先生」高橋さんが教育関係者らに講座 性教育がしたくて産婦人科医になったという高橋さん これからの性教育などについて熱弁

  • 熱弁を振るうサッコ先生こと高橋幸子さん=熊谷市筑波のティアラ21会議室

    熱弁を振るうサッコ先生こと高橋幸子さん=熊谷市筑波のティアラ21会議室

  • 熱弁を振るうサッコ先生こと高橋幸子さん=熊谷市筑波のティアラ21会議室

 「くまがやオレンジハートの会」(杉田茂実代表)は、熊谷市筑波のティアラ21会議室で、NHKの番組などで活躍する埼玉医科大学助教・産婦人科医の高橋幸子さん(通称・サッコ先生)を招き、「生命(いのち)の安全教育」講座を開いた。高橋さんは、会場に足を運んだ学生や教育関係者、児童相談所職員などに対し、若者を取り巻く性の問題を語り、「SOSを受け止められる大人になってほしい」と力を込めた。

 性教育がしたくて産婦人科医になったという高橋さんは、日本の性教育の現状や世界との違い、性と生殖に関する健康、これからの性教育などについて熱弁を振るった。「世界では人権教育のことを性教育と呼んでいる」と話す高橋さんは、「中学生や高校生はネット上の誤った情報と正しい情報を見分けることが難しい。正しい知識さえあれば避けられたはずの最悪の状況に追い込まれていってしまう。誰にSOSを出すのか?」と、問いかけた。

 当日は会場に「若者たちのための街の保健室・ユースクリニック」も開設。性教育に関する絵本や著書、コンドームや月経カップなどが展示された。スウェーデン発祥のユースクリニックは、「街の保健室」とも呼ばれ、10~20代の若者が直面する体や性に関する問題、身体の成長に伴う不安や悩み、性感染症や避妊・緊急避妊の相談、デートDV(ドメスティック・バイオレンス)などに幅広く対応している。

 参加した市教委学校教育課長の中谷樹さん(51)は、「サッコ先生の話に引き込まれた。学校の性教育もこの先きっと、もっと良くなると思う。その必要を感じた。多くの子どもたち、教職員に聞かせたい」と話していた。

 同会事務局の木村環さんは、「ようやく念願がかない、熊谷でユースクリニックがキックオフとなった。県内からも多くの要望がある。支援に協力を」と呼びかけていた。

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