<高校野球>浦和実、今までにない春の訪れ 春夏合わせ初、念願の甲子園出場 苦い思い出も…名前呼ばれず「分かっていても、しゅんとした」 うれし泣きしたことない監督、心の底から涙あふれる
2025/01/25/10:30
埼玉県さいたま市の浦和実に今までにない春が訪れる。午後3時45分、選考委員会の生配信から「(関東)3校目に浦和実業学園高校」という声が聞こえると部員約50人全員の笑顔がはじけた。副主将の深谷は「自分たちの力だけじゃ行けなかった。周りのサポートのおかげ。今までの緊張感が解けて自然体で喜べた」と抑えていた気持ちを爆発させた。
1975年の創部以来、春夏合わせて初の甲子園出場が決定。88年から指揮を執る辻川監督は会見で前に立つと「37年間…」と一言話し30秒間、感極まった様子で声を詰まらせた。
00年の秋季関東大会で8強入りし、迎えた翌年1月の選考委員会で浦和実の名前が呼ばれず、「選ばれないと分かっていても、みんながしゅんとした。あれは本当にトラウマ」と苦い思い出を振り返る。
この日は東北の選出校が呼ばれ始めると手にじんわりと汗がにじんだ。「泣くなんて思わなかった。うれし泣きなんて人生でしたことないけれどほっとした」と念願の選出に心の底からあふれるものがあった。
初の選抜大会に向け、今までの鍛練期とは異なる冬の練習に励む選手たち。指揮官は「毎日見ていると変化は分からない。(選手らの)成長は甲子園で初めて分かるんじゃないかな。浦実の野球を精いっぱいやって、大暴れしてほしい」と教え子たちの躍進に期待を込めた。