埼玉新聞

 

「山は味方にも敵にも」…観光スポットで山岳救助訓練 埼玉・横瀬の「あしがくぼの氷柱」 氷で覆われた斜面で連携確認 「無理だと思ったら引き返す勇気を」

  • 氷柱の上で搬送訓練を行う秩父消防本部の救助隊員=24日午前、横瀬町芦ケ久保のあしがくぼの氷柱

    氷柱の上で搬送訓練を行う秩父消防本部の救助隊員=24日午前、横瀬町芦ケ久保のあしがくぼの氷柱

  • 氷柱の上で搬送訓練を行う秩父消防本部の救助隊員=24日午前、横瀬町芦ケ久保のあしがくぼの氷柱

 秩父の冬の観光スポット「あしがくぼの氷柱(ひょうちゅう)」(横瀬町芦ケ久保)の会場を利用した山岳救助訓練が、24日行われた。秩父消防本部の救助隊員15人が、登山道凍結時の初動対応を学んだ。

 同氷柱での訓練は2017年に県警山岳救助隊員が実施して以降、3回目。秩父消防本部は初参加となる。隊員は、靴底に装着する滑り止めの金具「アイゼン」や、アイスピッケルなどの雪山の必須装備を万全にし、高さ約30メートル、幅約200メートルに及ぶ氷柱に覆われた山の斜面を慎重に歩行。ロープやストレッチャーを使って、要救助者の搬送、救出訓練などを実践して連携を確認した。

 秩父消防本部が対応した遭難事故件数は5年間で計200件以上。完全凍氷した沢筋に滑落して活動に苦慮した事案も発生しているという。

 同本部主査の浅海裕一さん(41)は「貴重な経験ができた。山は味方にも敵にもなるので、装備をしっかりし、無理だと思ったら引き返す勇気を持ってほしい」と話していた。

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