恥かかせるんじゃねえ…校長異様、教頭を精神疾患にさせる 賠償命令が下され懲戒処分に 「どれだけ仕事が遅いんだ」と叱責し、耳鳴りや目まいで教頭は退職 校長は現在、別学校で校長として勤務
2025/01/28/10:07
さいたま市教育委員会は27日、市立大宮東中学校の教頭だった男性(52)にパワーハラスメントを行い適応障害などを発症させたとして、当時の校長の男性(60)について、地方公務員法に基づき、減給10分の1、6カ月の懲戒処分にしたと発表した。校長は損害賠償訴訟で昨年10月、さいたま地裁からパワハラの認定を受けていた。
市教委教職員人事課によると、市に約480万円の損害賠償金の支払いを命じた地裁判決の内容などを加味して処分を決定。市は昨年12月、市議会12月定例会で補正予算案が可決後、同23日に遅延損害金を含めた約502万円を元教頭に支払った。求償を受けた校長は同日、半額の約251万円を市に払ったという。
校長は2022年4月に着任すると、元教頭に対し「恥をかかせるんじゃねえ」「どれだけ仕事が遅いんだ」と叱責(しっせき)するなどした。元教頭は耳鳴りや目まいの症状を発症し休職。その後、退職した。
元教頭側は市を相手取り、慰謝料など約920万円の損害賠償を求める訴えを起こした。地裁は「罵倒や侮辱、人格否定など不適切な言動を日常的に繰り返した」とパワハラと認定。市教委は当時の調査でパワハラと認定せず、判決後に「当時の判断が誤りだった」と認め、控訴しないことを明らかにし、精神的苦痛を受けた元教頭に謝罪した。
校長は現在、別の中学校の校長として勤務。同課によると、判決内容を受け止め「関係した方々にご心配とご迷惑をおかけし、大変申し訳なかった」と話しているという。
野津吉宏学校教育部長は「教育委員会としては、学校と一丸となって、信頼回復に努めるとともに、今後のハラスメント防止に向けた体制強化を図り、再発防止に取り組む」と述べた。