埼玉新聞

 

川越まつり、3年ぶり開催へ 10月15、16日に実施 期間中、埼玉に緊急宣言が適用されれば中止に

  • 向かい合う山車から双方の囃子がこだまし、提灯が乱舞した曳っかわせ=2019年の川越まつり

 川越市山車保有町内協議会は21日、川越市役所で今年度の第1回全体会を開き、国指定重要無形民俗文化財でユネスコの無形文化遺産に登録されている川越まつりについて、10月15、16日の日程で、3年ぶりに開催する方針を決定した。川越まつりは過去2年、新型コロナウイルス感染拡大のため中止されている。

 同協議会は川越まつりで巡行する山車を持つ市内の27町で構成され、開催を担う中核的な組織。まつりには山車が必須となるため、協議会で行われる議論が判断基準となる。実施の方針は今後、実行委員会に当たる川越まつり協賛会の理事会が5月24日に開かれ、正式に決まる見通し。

 開催方法は通常通りを基本とするが、まつり期間に埼玉県で緊急事態宣言が適用されれば中止、まん延防止等重点措置となった場合は規模を縮小して実施することも確認した。通常開催では、感染防止対策を徹底。具体策については、今後詰めていく。

 同協議会の井上誠一郎会長は開催の方針を決めた理由について、「伝統の祭りをできない状態がこれ以上長く続けば、知識や技術などを次世代に引き継げなくなるという意見が強くあった」と説明。新型コロナウイルスと社会経済活動の共存も本格的に模索されつつあり、同会長は「感染対策を考えながら、何らかの形で開催できるように願っている」と述べた。

ツイート シェア シェア