埼玉新聞

 

KABA.ちゃん半生語る 埼玉・加須で人権講演会 「誰もが普通に生きられる世界が大切」 自分らしく生きる大切さを伝える

  • 加須市人権問題講演会で「LGBTQ」をテーマに自身の経験を語るKABA.ちゃん=5日、加須市のパストラルかぞ大ホール

    加須市人権問題講演会で「LGBTQ」をテーマに自身の経験を語るKABA.ちゃん=5日、加須市のパストラルかぞ大ホール

  • 加須市人権問題講演会で「LGBTQ」をテーマに自身の経験を語るKABA.ちゃん=5日、加須市のパストラルかぞ大ホール

 加須市のパストラルかぞ大ホールで5日、タレントで振付師のKABA.ちゃん(55)が「知ってほしい、LGBTQのこと」と題してトークを行った。「小学校高学年まで自分は女の子だと思っていた」と振り返り、「いつでも自分らしくが大事」と強調した。

 トークは、加須市人権問題講演会(同市など主催)として行われた。LGBTQは、性的少数者、セクシュアルマイノリティーのこと。KABA.ちゃんは福岡県出身。2002年に性同一性障害であることを公表し、16年に性別適合手術を受けて女性に戸籍変更している。本名は椛島一華さん。

 子どもの頃を振り返り、「小学5年生の時、体育の授業で男女に分けられた。その時、私は女じゃないんだと気付いた」という。「女らしさを隠したが、しぐさや口調をからかわれた。いじめもあった」とも。中学生になると、隠さないようにしたという。

 自分を隠さなくなり、中学校3年間は楽しい日々に。会場に同級生も来ていることを紹介し、「中学生の時、初恋もした」と明かした。

 いつもアイドルを目指していたが、兄の「ダンスを勉強したら」との助言に押され、ダンスの世界へ。18歳で上京し20歳でニューヨークにダンス留学する。留学時について「女優ブルック・シールズがクラスにいた。ニューヨークですごく影響を受けた」と紹介。セクシュアルマイノリティーの人が普通にしていることにも勇気づけられたという。

 帰国後は、数々のアーティストの振付師として活躍。現在は東京都渋谷区の観光大使も務めている。KABA.ちゃんは「誰もが普通に生きられる世界が大切」と結び、自分らしく生きる大切さを伝えた。

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