市役所が移転へ…国道と市役所通りの交差点沿い 埼玉・熊谷 県北部拠点との複合施設に 現在の庁舎は1973年に完成 2032~33年度の完成を目指す
熊谷市は12日までに、老朽化が進む市役所本庁舎(宮町)について、コミュニティひろば(本町)に建て替え移転する方針を固めた。26日開会予定の市議会3月定例会に、基本計画の策定費を盛り込んだ2025年度一般会計当初予算案を提案する方向で調整を進めている。コミュニティひろばには、県も北部地域振興交流拠点を整備することを12日に発表。新たな市役所は、県との複合施設となる。
コミュニティひろばは、本庁舎から南に約300メートル離れた国道17号と市役所通りの交差点にある。市は1973年3月に完成した現庁舎が、建設から耐用年数の目安とされる60年が迫っていることから、昨年2月に市庁舎整備検討委員会を設置するなどして議論。今年2月1日に熊谷市庁舎整備基本構想案を発表し、パブリックコメント(意見募集)を開始していた。
基本構想案では、延べ床面積を2万1千~2万2千平方メートル、整備費を156億~219億円と想定。また、現庁舎は手狭で、都市整備部が大里庁舎、産業振興部の一部が妻沼庁舎、環境部が江南庁舎に分散しているため、本部機能を新庁舎に集約する。市によると、完成時期は2032~33年度ごろを目指すという。
県が発表した北部地域振興交流拠点は、コミュニティひろばと熊谷地方庁舎(末広)の熊谷市内2カ所に整備。25年度一般会計当初予算案に、基本計画の策定費7761万円を盛り込んだ。コミュニティひろばの予定地は、面積が市道部分を合わせて8153平方メートル。県が53%、市が47%を所有している。コンベンションホールなどの産業振興施設や、新たな県立図書館も入る計画。県は1985年度に発表したテクノグリーン構想で、県内の東西南北に産業振興などを図る拠点を設けることを掲げたが、北部が唯一未整備となっていた。