13日午前10時20分ごろ、埼玉県春日部市谷原1丁目の工事現場で、通行人が「足場が崩れている」と119番した。足場は結婚式場として使われていた建物の解体工事のため設置されたという。消防によると、足場は結婚式場南側の2階建てアパートに寄りかかるように崩れた。けが人はいなかった。強風の影響とみられ、駆け付けた消防隊がアパートの住人5人を避難させた。

　同市一ノ割4丁目では強風で屋根の一部が飛ばされ、当たった女性（63）が頭頂部と右手にけがを負った。市内では他にも強風にあおられ転倒するなど計3人が負傷した。

　同市赤沼では倒木が発生。春日部署によると、同日午前10時20分ごろ「桃屋春日部工場」の駐車場で複数台の車にまたがるように木が倒れた。けが人はいなかった。

　県内では13日、風が強まり、熊谷地方気象台は強風注意報を発令した。同気象台によると、最大瞬間風速は、さいたま市で午前9時23分に23・6メートル、所沢市で10時53分に21・8メートル、熊谷市で午前9時53分に21・2メートルを観測した。

■住民ら「まさか」　けが人なく安堵

　足場が倒れた春日部市谷原1丁目の工事現場は住宅街の一角にあり、南側にはフェンスに囲まれたグラウンドが広がる。近くを通りかかった近所の女性（72）は「いつも歩く道の近くで、こんなことが起きて、びっくりした。建物と同じくらい高い足場だったので、下に誰かいたら大変だった」と心配そうに話した。

　地元の自治会役員男性（82）によると、足場は結婚式場として使われていた建物の解体工事のため、1カ月ほど前に設置されたという。建設業界で働いていた経験もある男性は「強風の影響といっても、まさかこの程度で倒れるとは思わなかった。けが人が出なくて本当に良かった」と安堵（あんど）した。