秩父市熊木町のそば店「秩父肉汁そば　山寿（さんじゅ）」で、地産地消の食材をふんだんに取り入れた新メニューが続々と登場し、観光客や地元客の人気を集めている。奥秩父山連山で捕れた天然のシカや、秩父産のムギ飯、刺し身こんにゃくなど、昨年11月のオープン当時は8種類だったメニュー数が5月現在までに31種類に拡大した。

　同店は幅約6ミリ、厚さ約2ミリの石臼挽（び）きのそばと、カツオだしベースのつけ汁が特徴で、「肉汁そば」（税抜き1100円）が看板メニュー。秩父地域外から訪れる観光目的の利用客が多いことから、同店オーナーの吉岡伸也さん（51）が「地元産の新鮮食材をたくさん紹介したい」と、ご当地メニューを充実させた。

　吉岡さんのお薦めは肉厚な「鹿南蛮そば」（同1300円）。奥秩父連山で捕獲したシカを低温で約3時間加熱し、臭みのない柔らかな肉に仕上げた。自家製の「濃厚そばプリン」（同480円）と併せて、特に女性に人気が高いという。

　コロナ禍の中でオープンしたが、国や県が行動制限を緩和して以降、客足は順調に伸び、オープン時と比べて売り上げは倍増している。吉岡さんは「今後も秩父産や県産の食材を豊富に活用し、秩父観光に訪れた方や地元の方に満足してもらえる店舗をつくっていきたい」と話していた。

　営業時間は午前10時～午後4時。問い合わせは、同店（電話0494・26・6635）へ。