埼玉新聞

 

新病院でも急性期医療を維持、周産期医療や小児医療なども継続 建物が老朽化、耐震化対策で市立病院を移転建て替え 蕨市、市民向け説明会「安心して暮らせるまちづくりを」

  • 大勢の市民らが参加して行われた蕨市立病院整備基本構想・基本計画案説明会

    大勢の市民らが参加して行われた蕨市立病院整備基本構想・基本計画案説明会=12日午後、蕨市中央の市立文化ホールくるる

  • 大勢の市民らが参加して行われた蕨市立病院整備基本構想・基本計画案説明会

 蕨市は12日、移転建て替えの方針が決まった蕨市立病院の整備基本構想・基本計画案の説明会を開き、新病院でも、現状の急性期医療を維持し、出産など周産期医療、小児医療などを継続するなどの基本方針案を示した。市は今後、広く市民らから意見を聞くパブリックコメントを実施し、2024年度末までに同基本構想・計画を策定する。

 現在の蕨市立病院は1970年に建設。建物の老朽化・耐震化対策が必要なことなどから市は2024年3月、同市錦町内に移転立て替えする方針を決定した。

 市議、公共団体代表、学識経験者らによる「市立病院整備検討審議会」から1月23日、おおむね妥当とする答申を受けた整備基本構想・基本計画案では、新病院整備の基本方針として、急性期医療を継続し、二次救急指定病院としての機能を維持。地域医療連携を充実させ、地域包括ケアへ対応、周産期医療・小児医療の提供を継続するとしている。

 診療科については現状を基本に、今後のニーズに応じ、将来的に新たな診療科開設に対応できるよう、柔軟な対応が可能な診療スペースを検討。病床数は現状の130床程度をベースとし、想定床面積は現状(延べ床面積6865・65平方メートル)を上回る9千平方メートル程度を基本に考える。設計・監理費と建設工事費を合わせた概算事業費は、現時点で約67億2千万円を見込む。

 説明会で頼高英雄市長は「市民が安心して暮らせるまちづくり、将来の蕨の発展にとって大変重要な事業。市民の皆さんのご意見をいただきながらしっかりと進めたい」と話し、整備基本構想・計画案への意見提出を求めた。

 市は基本構想・計画を策定後、25、26年度に基本設計・実施設計を行い、27、28年度に建設工事を実施予定。新市立病院の開院は29(令和11)年度を予定している。

 市立病院整備基本構想・基本計画案は市ホームページ(HP)ほか市役所、各公民館、図書館などで閲覧でき、パブリックコメントは今月27日まで、市HPなどで受け付ける。

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