構想から40年が…熊谷市役所の建て替え移転、県の北部拠点と整備 県とにぎわい創出「期待は大きい」「インバウンドにも対応できる機能を」
2025/02/17/11:39
埼玉県の熊谷市は13日、市役所本庁舎(宮町)をコミュニティひろば(本町)に建て替え移転するため、2025年度一般会計当初予算案に北部地域振興交流拠点施設(仮称)推進事業として、9308万円を盛り込むと発表した。このうち7039万円を新たな本庁舎建設に向けた基本計画の策定に充てる。
コミュニティひろばは、国道17号と市役所通りの交差点に面した中心市街地にある。県が1985年度に発表したテクノグリーン構想を受けて、88年度に拠点を整備する候補地に決定。銀行や商店、住宅があったが、県と市が用地を買収し、イベント会場などとして活用していた。
産業振興などを図るため、県内の東西南北に整備を計画した拠点は、北部を除き既に供用が始まっている。北部地域振興交流拠点は、構想が二転三転。73年に完成した現在の本庁舎は、この間に老朽化が進み、市は新たな本庁舎の建設地に据えた。
熊谷市の小林哲也市長は会見で、「構想から40年がたってしまったが、県と一緒になってにぎわいを創出したい」と歓迎。整備がもたらす効果について、小林市長は「期待は大きい。熊谷の強みである鉄道の駅からより近くなるので、県北の皆さんが使いやすい環境が整う」と述べた。
地元経済界も、待ち望んでいた。熊谷商工会議所の大久保和政会頭は「空いていた中心部に拠点ができることで、駅前や市街地の商業集積が進むのではないか」とみる。産業振興につながる施設の中身について、大久保会頭は「コンベンションホールやインバウンドにも対応できる機能を置いてほしい。市も積極的に関与することが大切。まちのにぎわいを復活させるスタートにしなければ」と話した。