「クルド人」言及の投稿削除 不動産大手の関連会社 差別助長と指摘
2025/02/17/13:33
不動産賃貸大手「エイブル」(東京都港区)のグループ会社が10日、X(旧ツイッター)上で「川口市のクルド人問題」などと投稿し、不適切だったとして同日中に削除した。交流サイト(SNS)上で批判の声が上がっていた。
不動産関連のシンクタンク「エイブル総合研究所」のアカウントは、「川口市のクルド人問題の根っこにあるのは、解体業という建設の静脈産業を日本人がやりたがらなかったこと」「十何年前にクルド人の人が手を挙げ、さいたま市の建築業者たちが頼ってしまった」「クルド人は『儲(もう)かる仕事だよ』と故郷の仲間たちを呼び寄せた。そこには日本社会になじもうとしないトラブルメーカーも混じってきた」と投稿したが、根拠は示さなかった。
また、5日に開催された国土交通省の会議に触れたが、同省ホームページ上に掲載されている会議資料では「クルド人」「解体業」への言及はなかった。
エイブルは11日、取材に「内容を確認したところ、不適切だったため削除した。グループの全従業員のコンプライアンスやリテラシー向上などに努める」と説明。投稿したエイブル総合研究所の社員は「不適切だった」と反省しているとした。一方、同研究所のSNSの運用体制や、具体的な問題点については説明しなかった。
外国人人権法連絡会の瀧大知事務局次長は投稿について、「クルド人へのヘイトがあふれる現状で『川口市のクルド人問題』という言葉が排他的な文脈で機能することは明らかで、結果的に差別をあおっている。知らない人も『問題があるのだ』と思わされてしまう」と懸念。同社の謝罪文について「何も説明していない」と指摘した上で、「不動産大手が『クルド人問題』と名指しし、存在することにしてしまうことは、川口市全体にとってマイナス」と話した。