埼玉新聞

 

悩む…最後に何を食べようか 古き良き時代をイメージ 埼玉・川越、シマノコーヒー大正館のプリン・ア・ラ・モード 銀色の器に盛られる色合い華やかな、「ハレの日」のデザート

  • シマノコーヒー大正館のプリン・ア・ラ・モード

    シマノコーヒー大正館のプリン・ア・ラ・モード

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 川越市の「大正浪漫夢通り」にたたずむ2階建ての洋風建築物。1933年に建ち、かつては呉服店だった。「大正時代をイメージした喫茶店にしたい」。島野晃さん(67)が改修を加え、96年にオープンさせたのが「シマノコーヒー大正館」だ。

 壁には100年以上前の絵皿15枚が飾られ、大正や昭和の頃のマッチのラベルも額に入って並ぶ。あめ色のテーブルや椅子と相まって、懐かしく温かみのある空間を演出している。

 そんな雰囲気の下で提供される「プリン・ア・ラ・モード」(税込み800円)は、在りし日に楽しんだ「ハレの日のデザート」を回想させる。

 楕円(だえん)形をした銀色のステンレス製の器に盛られてくる。山形から取り寄せた卵で作るプリン。その隣をバニラアイスや生クリームが固め、キウイやミカンで彩る。プリンには赤色のチェリーが乗っている。最初に何を食し、最後に何を残しておくべきか。スプーンですくおうとする先に、思案が駆け巡る。

 島野さんは「果物の色合いで華やかに見せる。古き良き時代のイメージだ」と説く。

 生豆から自家焙煎したコーヒーをはじめ、クリームソーダなども人気を博す。島野さんは「最近は若者やインバウンド(訪日客)も多い。喫茶店は日本のコーヒー文化。そういうところに触れたいのではないか」と話す。

【メモ】 シマノコーヒー大正館 川越市連雀町13の7(電話049・225・7680)。営業時間は平日が正午~午後5時、土・日曜日と祝日が午前10時~午後6時。西武新宿線本川越駅から徒歩約10分。

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