埼玉新聞

 

川越に歩行者天国が誕生へ 埼玉有数の観光地 一番街で今年のGWと秋の連休に実施 オーバーツーリズム対策の一環 路線バスも迂回運行の予定

  • 観光客が多く訪れる川越市の「一番街」=19日

    観光客が多く訪れる川越市の「一番街」

  • 観光客が多く訪れる川越市の「一番街」=19日
  • 【役所】川越市役所=埼玉県川越市元町

 川越市は19日、同市の観光スポット「一番街」で今年のゴールデンウイーク(GW)と秋の連休に「歩行者天国」を試行的に実施する方針を決めたと発表した。観光客が多く集まり住民の生活に影響が生じるオーバーツーリズム対策の一環で、市は周辺環境への影響の有無などを検証する。

 市によると、歩行者天国を試行実施するのは「札の辻」交差点と「仲町」交差点の間の県道約400メートル。5月3~5日と11月1~3日の2回(計6日間)で、いずれも午前11時から午後5時にかけての時間帯を想定している。試行実施中は乗用車をはじめ、自転車も乗った状態では通行できない。路線バスは迂回(うかい)する予定だ。

 一番街は蔵造りの町並みが残り、観光客が多く訪れる。一方で観光客の一部が歩道上に行列をつくったり、歩行中にはみだしたりするケースが見られる。

 市が北部市街地の交通対策について住民向けと、店舗や事業所、駐車場関係者向けに2024年に行ったアンケートでは、現在の一番街の交通状況について「危険」「やや危険」との回答が住民で約85%、店舗・事業所などで約76%に上った。「望ましい交通対策」の案の選択では、それぞれ約44%と40%が、一番街の歩行者天国を選んだ。

 市は09年にも、一番街で一方通行と歩行者天国の交通社会実験を行っている。担当者は、25年度の試行実施について「地域への影響や効果、どれだけ安全が担保されたのかを把握したい」と話している。市は21日開会の3月定例市議会に、試行や検証に関連する費用2297万円を提案する。

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