埼玉新聞

 

サクラソウから命学ぶ 桜区・新開小で4年生が植栽、名前をつけて栽培へ 都内から「里帰り」も

  • サクラソウを植えた鉢を手に笑顔の児童たちと當麻賢一さん(中央)=1日、さいたま市桜区の市立新開小学校

  • 自生地の保存活動を行うボランティアらに教わりながらサクラソウを植える児童=1日、さいたま市桜区の市立新開小学校

 さいたま市桜区の市立新開小学校(白石徳一郎校長)で1日、命の大切さや思いやりの心を育む「人権の花運動」の一環として、4年生の児童約50人がサクラソウの植栽活動に取り組んだ。

 同校は国指定特別天然記念物「田島ケ原サクラソウ自生地」に近いことから、サクラソウを通じた自然保護に関する学習に力を入れている。今回は同自生地の保存活動に取り組むボランティアらに教わりながら、児童たちは一人一つの鉢にサクラソウを植栽。サクラソウにそれぞれ名前をつけて育てていく。

 この日は、東京都東久留米市の當麻賢一さん(81)も駆け付け、自宅で育てているサクラソウの一部を同校に寄贈した。このサクラソウは、かつて同自生地に隣接する秋ケ瀬橋の架け替え工事が行われた際に工事箇所のサクラソウの採取が許可され、當麻さんの母親が知人から分けてもらったもので、當麻さんが母親から受け継いで大切に育てているという。當麻さんは「サクラソウの里帰りという思いで持ってきた。子どもたちに愛情をかけて育ててもらえれば」と話していた。

 塚原寧音さん(9)は「みんなで仲良く植えられて楽しかった。頑張って水をあげて大きく育ってほしい」。中村維月さん(9)は「貴重な体験が出来た。枯らさないように大切に育てていきたい」と話していた。

 白石校長は「身近に育てることで、子どもたちにサクラソウに愛着や親しみを持ってもらい、地域の自然を守り続けていく大切さを感じてもらえれば」と話していた。

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