埼玉新聞

 

八潮道路陥没 大雨で浸水被害の恐れ 八潮市が市管理の上下水管、雨水管の現状と応急対応について報告 損壊した雨水管は幹線の一つ、対策を県と検討

  • 八潮の県道陥没事故を受け、マンホール内を点検する作業員ら=26日午後、八潮市木曽根

    八潮の県道陥没事故を受け、マンホール内を点検する作業員ら=26日午後、八潮市木曽根

  • 八潮の県道陥没事故を受け、マンホール内を点検する作業員ら=26日午後、八潮市木曽根

 八潮市の県道が陥没しトラックが転落した事故で、市は26日の定例会見で、雨水を流す主要な管路が損壊し、台風や大雨が降ると内水氾濫が発生して、市内の広範囲で住宅浸水などの被害が出る可能性を示した。現在は上流からポンプで水をくみ出して応急対応。梅雨時に備えて、仮設復旧などの対策を検討している。

 市によると、道路陥没が起きた交差点の地中には、下水道管の他に上水、雨水、ガス、NTT東日本のケーブルなどが埋設されていた。市は会見で、市管理の上下水管、雨水管の現状と応急対応について報告した。損壊した雨水管は市内に2本ある幹線の一つ。地中に埋まっていた幅と高さいずれも2・1メートルのボックス型水路が損壊した。

 大雨や台風などで大量の雨水が流れた場合、市内の広範囲に床上床下浸水などの被害が出る可能性があるという。市は上流部でポンプによる排水をするなど対応。本格的な復旧に時間を要することから、応急措置、仮設的な復旧、排水能力を上げる対策を県などと検討している。

 市の担当者は「今は冬で雨が降っていないので、ポンプ排水と上流の切り回しで対応している。梅雨時、台風が来た時にどれだけ耐えられるか」と説明。大山忍市長は「(雨水管が)寸断された状況で大雨が降れば内水氾濫になる。雨が降る前に応急復旧、仮復旧を進めたい。大雨が来た場合は床下、床上(浸水)も十分あり得る」と述べた。

 市は陥没事故を受けて、今月17日から市管理の下水道管の緊急点検を開始。3月末までに市内231カ所のマンホールで硫化水素の濃度や水の流れなどを調査する。26日までの点検で異常は発見されていないという。

 一方、市は陥没箇所への下水排水を減らすため、県とは別に800メートルのバイパス管を整備した。市の下水道からポンプ2台でくみ上げた排水を下流に流している。

 上水道は現場の交差点近くの中央浄水場から流れる大口径2系統のうち、交差点に向かう1系統が断水。中央浄水場のもう一つの系統と南部配水場から水が流れており、対応できているとした。

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