埼玉新聞

 

「契約が成立しているとは言えず」「過失を立証することは難しい」と弁護士が見解 順天堂病院の整備中止で「損害賠償請求は困難」と知事、県議会で答える

  • 順天堂大学新病院の整備予定地=29日、さいたま市緑区

    順天堂大学新病院が整備される予定だった予定地=さいたま市緑区

  • 順天堂大学新病院の整備予定地=29日、さいたま市緑区

 埼玉県の大野元裕知事は26日の県議会本会議で、昨年11月に新病院整備計画の中止を届け出た順天堂大学への損害賠償請求について、「見解を伺った全ての弁護士が『契約が成立しているとはいえず、順天堂側には債務が発生していない』『順天堂側の過失を立証することは難しい』との見解で、順天堂に対し損害賠償を請求することは困難」と述べた。田村琢実県議(自民)の代表質問に答えた。

 県内医療機関への医師派遣について大野知事は、「学長が中止報告に来庁された際、引き続き協力をいただきたいと伝え、秩父市立病院への派遣が本年9月まで延長され、済生会加須病院への派遣は当面継続となった。引き続き本県の医師確保の取り組みへの協力を強く求めたい」と今後の方針を示した。

 公募を経て計画が推進された経緯を踏まえ、昨年12月の県議会で疑義を唱える声が多く上がり、大野知事は「複数の弁護士、専門の方々にお伺いしたいと考えているが、専門家の見解によって、再考するかしないかは、その後検討させていただく」と答弁していた。

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