埼玉新聞

 

【地震情報】南海トラフとの関連は…三重県沖M5・7の地震は異常震域 深さ400キロの太平洋プレートを伝わり東北、関東で揺れ 南海トラフ巨大地震…浅いフィリピン海プレートでの発生を想定

  • 震源地と各地の震度(26日午後2時54分、気象庁HPから)

    三重県南東沖の地震の震源地と各地の震度(26日午後2時54分、気象庁HPから)

  • 震源地と各地の震度(26日午後2時54分、気象庁HPから)
  • 異常震域の模式図(気象庁HPから)
  • 異常震域の事例「京都府沖の地震の震度分布図」。×は震央(2007年7月16日 M6.7 深さ 374km)=気象庁HPから

 気象庁によると、26日午後2時54分ごろ三重県南東沖で発生した推定マグニチュード5・7の地震は、震源の近くより、遠く離れた関東、東北地方が揺れる「異常震域」の地震だった。

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 今回の地震の震源の深さは約400キロ。陸のプレートに地下深くで潜り込んでいる太平洋プレートの位置で、硬い太平洋プレートを地震波が伝わることで、震源から遠く離れた東北や関東地方の揺れが大きくなった。

 この地震では、震源に近い近畿や東海地方では観測装置が揺れを記録せず、福島県と栃木県で最大震度2を記録。埼玉や東京など関東の広いエリアで震度1を記録した。

 また、懸念されている南海トラフ巨大地震は、陸のプレートにフィリピン海プレートが潜り込んでいる深さ10~40キロ程度(静岡県沖から宮崎県沖)を震源位置として想定しており、今回の三重県沖の地震と比べ震源が300キロ以上浅く、関連しないという。

 一般に、地震の揺れは震源に近い場所ほど強く、遠い場所ほど弱くなる。しかし、深い場所で発生する地震(深発地震)では、震源に近い場所よりも遠く離れた場所の方が強く揺れる場合があり、この現象を「異常震域」と呼んでいる。

=埼玉新聞WEB版=

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